03.土に埋めたら
「またあンのバカ皇子…」
突然の事で対応できる職員が私ひとりということもあり、思わず愚痴がこぼれてしまった。
お茶を入れて休憩しようかと思っていた矢先、かぶき町四天王がひとり西郷さんから非地球産生物が暴れたので少し眠らせたとの連絡が入った。
指定された場所を調べると、案の定バカ皇子の敷地だったのだ。
あの皇子はいつになったら私たちに迷惑をかけなくなるのだろうか。
いい加減、自らの飼育の才能のなさに気がついてほしい。
「はい御免ください失礼しますよ〜入国管理局の者です〜」
西郷さんによると生物は寝ているらしく、他に誰がいるわけでもないだろうが一応声をかけて庭に入った。
寝ているとはいえ職員ひとりで地球外生物の現場に向かわせるってどうなの。
そんな頭に浮かんだ疑問はすぐ霧散してしまった。
到着場所で、首から下が地面に埋まった2人が目に入ったからだ。
何がどうなってこうなる。
「さ、坂田さん…?」
「ちげぇ、パー子だ」
「えーと…」
「パー子だっつってんだろ」
「あ、はい…」
目に入った片方の銀髪はどうみても仕事で関わりのある万事屋さんなのだが、本人は頑なにパー子と名乗ってきた。…なら万事屋さんと違うかぁ。
「おい銀時!おなごにそんな不愛想な態度を取るな!失礼だろう!」
「えーと…」
「ヅラじゃない、ヅラ子だ」
「あっはい…」
土に埋まっていたもう片方の長髪はヅラ子さんというらしい。
名前を聞く前に申し出てくれたよ。ありがとうございます。
「…はい、救出作業及び生物保護作業に取り掛かります」
現場到着早々、予想外のシーンに出くわしたので気が動転してしまっていたが、本来の目的を思い出し自分を落ち着かせるため宣誓し作業に取り掛かった。
.
「そこのおなご。例を言う」
「ご丁寧にありがとうございます。お怪我はありませんか」
一先ずバカ皇子が手名付け損ねた生き物を確認、状況を連絡した後、土に埋まっていた2人をなんとか掘り起こした。
パー子さんはヅラ子さんが土から生還したことを確認すると、ヅラ子さんが引き留めるも無視してすぐさま出入口に向かっていった。
「問題ない。ところで、銀時の知り合いなのか?」
「まぁ取引先ですね」
そう答えるとヅラ子さんはふむ…と少し考えてからまた口を開いた。
「銀時が無関係のおなごにあそこまで不愛想なのも珍しくてな、気になった」
まぁ、普通気になるよね
初対面の人からみてもあからさまな態度を取られている事実に思わず苦笑いが出てしまった。
「…坂田さんにとって我々はきっと許せない人間なんですよ」
「許せない?」
ヅラ子さんが何か言葉を発しようとした時、門の外が賑やかになった。
どうやら応援職員たちがようやく到着したらしい。
「他の奴らが来るとまずい。またいずれ話そう」
そういってヅラ子さんは足早に去っていった。
…他の人に見られたらまずいってヅラ子さんもしかして訳アリ?