12
「すまないハニー」
凛々しい眉を下げて、カラ松さんが小さく微笑む。
「先程のみっつめは訂正だ。ただしくは、みもこころも俺達に、ちょうだい、だ」
いいか?
照れたように少しだけ頬が赤いカラ松さんを見つめながら、いいわけがないと心の中で絶叫する。
みもからだも?このひとたちに?
俺達、と俺、の違いなんて、私からしたらさほど違いはない。
だっていずれにせよ、何をさせられるかわかったものではない。
だってこの人たちは名高いマフィアの一派だ。
というかそもそも殺さないからやさしくして?
何を言っているのだろう。
「な、なんで」
このひとたちは、なんのためにわたしのことを連れてきたのだろう。
「俺達のファミリーにはさ、女の子がいなくて」
「女の子って、やっぱ、必要なんだよね」
「……まあ、ファミリーの華って意味もあるし、男にはできないことも出来るしね」
だから、うんって、いって。
懇願のようなその言葉は、しかしNOと言えない圧力を含んでいる。
「だいじょうぶだよ、ちゃんと優しくする」
優しく、とは。
何を指すのか全くわからないけれども。
恐怖におもわず頷いたわたしに、嬉しそうに差し出された拘束具を指しはしないだろうと、今すぐ消えてしまいたかった。
- 13 -
← →
うたかた |
|