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がちゃん、と重苦しい音を立てて、両手両足の自由が奪われる。
小さな窓が一つしかない部屋は薄暗く息苦しい。
備え付けの洗面所とトイレ、お風呂までは届く長さの重い鎖に、小さくため息をつく。
6人が、日替わりでこの部屋を訪れることで、彼らの中では概ね合意らしい。
せめてもの暇つぶしにと積み上げられた本にため息をついて、やっぱり間違った選択だったのかなあと、ぼんやり考える。
あのまま家にいたとしても、わたしは殺されるか、野垂れ死ぬかのどちらかだっただろう。
それは咄嗟の判断でもわかったし、だから現に今私はここにいる。
どうせ死ぬなら、何でも一緒か。
うーん、と小さく唸って、木製の椅子に腰掛ける。
埃っぽかった部屋は綺麗に掃除されていて、ベッドは真新しいシーツに包まれている。
机の上には日付と時間がわかる時計が置いてあって、その隣にはカレンダーと小さなメモ。
月曜おそ松、火曜カラ松、水曜チョロ松、木曜一松、金曜十四松、土曜トド松。
日曜はその週によって誰かが来たり来なかったりするとも聞いた。担当の日に来れないことがある、とも。
なんだかどっと疲れてしまった。
枕に頬をすりよせて、そっと瞳を閉じる。
「なまえちゃーん」
ぼふんと腰あたりに衝撃が走って、はっと意識が浮上する。
ちらりと時計に視線をやれば、20分ほど寝てしまっていたらしい。
「なまえちゃん晩御飯いこ」
おそ松さんがにこりと笑って、のそのそとベッドに上ってくる。
戸惑いながらもこくりと頷くと、彼はわたしの両手をがっちりと押さえつけたまま楽しそうに笑った。
「あ、あの、ごはん……」
「ん?ご飯食べよ?」
「え、あの、はい、え?」
ぬるり、と耳元に生暖かい感覚。
背筋がゾクゾクとして身を捩れば、頬を優しく包まれて、
「え」
顔が近い。
キスされた、と気づいた時には遅く、唇を割るように舌が潜り込んできた。
おそ松さんの手のひらが頬を滑って耳元を弄りながら、耳を塞ぐように添えられると、ぬちゃぬちゃという水音が頭の中に響く。
息苦しさに涙目になって目の前の彼を見つめると、赤い瞳がにやりと三日月を描いた。
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