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「なまえ」


一松さんは、大きな抗争の時に真っ白でド派手なスーツを着る。
返り血で赤く染まるスーツが好きなのだといつだったか彼は楽しそうに笑っていた。
私にはまったく理解出来ないけれど。


「準備できたァ?」


にたぁ、と笑う彼に、こくりとひとつうなずく。
ドデカイマシンガンを肩に担ぐ彼は、私を見てふんと鼻を鳴らした。


「お、なまえちゃんいいねぇ」


へらへら笑うおそ松さんが私の両手にそっと黒い塊を差し出す。
リボルバーの中を確認して、手のひらに吸い付くような鉄の感覚に自然と口角が上がる。
これこれ、わたしの相棒。


「慣れたもんだね」


そう言って、チョロ松さんがかすかに笑う。
彼が笑いかけてくれるまで一番時間がかかったかもしれない。
だけど、今では少しは心を開いてくれているということだろうか。


「行くか」


カラ松さんの言葉に、各々がカチャリと武器を確認する。
タイトスカートの切れ目に伸びるベルトに相棒を装着して、ワンボックスカーに乗り込む。


「今日結構でかいとこだからね〜……油断しないでね」
「全力で叩きマッスル!」


するするとわたしの腰を撫でるおそ松さんの手のひらを軽くいなして、トド松さんのパソコンを覗き込む。


「わたし、どうすればいいですか?」
「んー、いつも通り後方支援。今回数が多いから……怪我はしないで」
「わかりました」


こくりと頷いて、深呼吸。
勢いよく開いたドアから光が飛び込んで、それを合図に飛び出す。
大舞台のはじまりはじまり。

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うたかた