誕生日小話04
※R-15くらい
時間ぴったりに部屋を出ていった十四松さんと入れ替わりに部屋に入ってきたのは、眠たげな瞳とくしゃくしゃの髪がトレードマークの一松さんだ。
「とりあえず着替えて」
ぽいっと渡されたのは紫色の大人っぽいロングワンピースで、やっぱり部屋から出ていってくれる気配はない。
わかっていたことですと小さくため息をついて、手早く着替えを済ませてしまう。
黄色のワンピースをハンガーにかけて一松さんと向き合えば、まあまあいいんじゃん、と小さく口角をあげた。
「わかってるとおもうけど、俺、トッティとか十四松みたいに優しくないよ」
ひひ、と引きつった笑いを漏らす一松さんに、こくりとちいさく肯けば、一松さんは満足げに口元を歪める。
「でもあんまイジメすぎるとあいつらうるさいからね」
どろりと艶っぽく笑う一松さんが、そっと手のひらをさしだす。
きょとんと瞬きをすると、ふひ、と独特な笑い声が耳に響く。
「なめて」
ぐっと口の中に指を突っ込まれて、ざりざりと上あごを撫でられる。
口の中をすりすり撫で付けるような指の動きに、うまく呼吸ができずにはふはふと眉を寄せると、一松さんが心底楽しそうに笑う。
「ちゃんと舐めて」
おずおずと舌を差し出せば、待ってましたと言わんばかりに親指と人差し指で舌をぐっとつままれた。
「ふっ、んん、ひはひ……」
「え?なに?わかんない、ちゃんと喋って……」
「ふ、っぅ、ひは、うう」
涙目になって、口の端からだらだら唾液が零れる。
ふへ、と笑った一松さんがそっと手をよけてくれて、口の端から溢れた唾液をハンカチで拭う。
「ふひ、アザース…………」
一松さんの手のひらも汚してしまったから、手をとって拭こうとすると、にやにや笑った一松さんはべろりと手のひらを舐めあげた。
「あ、引いてます?ふひ、その顔いいね」
「……」
「んー、じゃあどうしよう。何してもらおうかな」
「……」
「じゃあ、ちょっと触らして」
言うやいなや、ぎゅうと後ろから抱きしめられるようにして、ソファにもたれかかる。
肩に顔を埋めた一松さんが、耳元でハァハァと吐息を繰り返して、胸の下に回された腕がぎゅうぎゅうと少し痛い。
「あー、メスの匂い……ハァ……」
「そ、そのいいかた、いやです」
「ひひ……やわらかい、ねえ」
するすると肌を撫でられて、一松さんのかさついた手のひらがワンピースの下に潜り込む。
太ももを撫であげていた手にぐっと力がはいって、爪がくい込んで少し痛い。
「こんな柔らかかったらさあ、こうやったら、すぐ、壊れそうだねぇ」
「いちまつさん、いたい……」
「っは、やわらけえ、」
ぐにぐにと血がにじむほどの力を込められて、じわりと涙が滲む。
「あームラムラしてきた」
首筋にピリッと痛みが走って、腰のあたりに感じる熱い塊が何かは考えないことにする。
はあはあと一松さんの息が荒くなって、熱い吐息が耳にかかる。
また口の中に指先を突っ込まれて、しばらく口内を動き回った後、耳元でアリガトネ、と小さな声が聞こえる。
「なまえちゃん、こっちみないで……」
身体をまさぐる手のひらがあつい。
後ろでカチャカチャとベルトを外す音が聞こえて、にちゃにちゃと響く水音に、彼が何をしているのか考えるのを放棄する。
「あー…………………………」
胸元に滑り込んだ手のひらが突起をかすめて、一松さんがひひ、と笑う。
「あーサイッコー………………」
掠れた声のあとに、短く唸る声。
それが何を意味するかなんて考えたくなくて、固く瞳を閉じて唇を噛む。
「ひひ…………なまえチャンありがと……」
一松さんの手のひらの、白い液体を見せつけるように笑いかけられて、気が遠くなる。
「あ……その顔、いいね…………」
「一松さん、とりあえず手のひら、拭きましょう」
「ん……なまえちゃん舐めてくんない?」
一松さんのぶっとんだ発言に、思わず嫌な顔をしてしまう。
わたしの顔を見て、一松さんは心底嬉しそうに笑って、あざーす、と小さく呟いた。
「あー、一発ぬいてスッキリしたし猫んとこでもいこ」
「あ、い、一松さん、お誕生日、おめでとうございます」
さっきと反対の手のひらが差し出されて、そっと手をとると、一松さんは小さく笑ってくれた。
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