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「まあ、くつろいで」


そう微笑みかけられながら座らされたのは、フカフカの赤いソファ。
部屋の至るところに飾られたインテリアは素人目にも決して安いものではないし、広い部屋に男6人女1人、なんだか居心地が悪くて肩を狭める。


「ンー、どこから話そっかな」


部屋の一番奥にある、大きな机に肘をついて、おそ松さんが小首をかしげる。
ほかの5人は両壁に寄り添うように立っており、見えていなくても感じる視線が痛い。


「あっはは、キンチョーしてる?楽にしてよ」


ニコニコ笑って、本題に入ろうとしないおそ松さんに痺れを切らしたのか、一松さんがゆったりと近寄ってくる。
そのまま顔をのぞき込むように目の前でしゃがみこまれて、思わず小さく後ずさる。


「オジョーサン、俺らが何かは理解してんの」


なに、とは。
黙ったきりのわたしに、一松さんがにたりと笑う。


「コレ、見たこと、ないデショ」


くるくると、黒い塊が彼の人差し指に弄ばれるように動く。
それが何か、頭はわかっているのに、感情がおいつかない。
チャキ、とその銃口が私を捉えて、背筋が震える。
一松さんは私の様子がお気に召したらしく、楽しくて仕方がないというように笑みをこぼす。


「今、引き金をひいたら、あんた、運が悪けりゃ死ぬんだよ」


ひひ、という引き攣り笑いに、じわりと視界が滲む。


「やめなよ、一松兄さん」


怖がらせてごめんね、と笑いかけるのは、トド松さんだ。
彼だって、言葉は優しいけれど、向けられる瞳は決して友好的なものではない。
スマートフォンで隠れた口元は、にんまり三日月を描いていて、一松さんと私の様子を見て、楽しんでいたことなんて明白だ。


「大丈夫だよ、僕らはなまえちゃんのこと、殺すつもりは無いよ」


今は。
言外に含まれた条件に、視線を落とす。
スカートを握りしめる手が、小さく震えていた。

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うたかた