特別な存在−8
今までは、イズが締め付けることで誘導していたために、イズの管理下にあった。だが今は荼毘が自由に動いている。それも、イズにとって気持ちいいところを探すためだけに。
今までと決定的に違うのは、それが手段ではなく目的となっていることだ。
イズを果てさせてイズの素性を知ろうということではなく、ただ感じさせたいからやっているのだという。
「っ、あぁっ!!ひっ、だ、め、そこぉ…!!」
「お、ここか」
そうして荼毘が、イズの最も感じるところを暴いてしまった。どん、と快楽が脳天を揺さぶる。荼毘はそれを明らかにできて嬉しかったのか、機嫌良さそうに口元を緩めた。それにどきりとして、思わずイズは疑問が口をつく。
「な、んで…こんな、恋人みたいなこと…!」
これでは、まるで普通の行為だ。愛を確かめ合う恋人たちのようだ。なぜそれを、この男が自分からやり始めたのか。
「……恋人」
しかし荼毘は、その言葉を聞いて目をぱちぱちとさせた。またしても驚いたようにしている。その反応に、イズも思わずじっと見つめる。
「…あぁ、なるほどな。ハッ、全部分かったわ」
「な、に……っあ!」
すると荼毘は、腰の動きを再開させながら上体をこちらに傾ける。一気に接近した端正な顔は、イズの顔の横、耳元に寄せられた。
そしてその耳に、荼毘は直接言葉を告げた。
「………好きだ」
「っ!!!」
その低く濡れた声が響いた瞬間、イズは、頭が真っ白になった。同時に、腹に熱いものをぶちまける。ついに、果てたのだ。
「お、」
それに気づいた荼毘は、震えるイズを見てニヤリとした。イズは達した余韻で頭が霞む中、その荼毘の表情に身構える。何を言うつもりなのか。
「俺より先にイったな。じゃあ、好きなもん聞かせろ」
「……は?」
「まずは、どこ責められんのが好きか、だな」
「ちょ、え、それ…?」
てっきり素性を聞かれると思ったし、それが今までの目的だった。だが荼毘は、それを聞くと思っているイズを呆れたように見た。
「今俺がなんて言ったか忘れたのかよ」
「……、」
荼毘が言ったこと、それは、「好きだ」というこの上なくストレートな告白。
それを正確に理解して認識した途端、顔に熱が集まる。
「…マジでかわいいなお前。つか、好きだって言われてイくとか、やべぇだろ」
「な、え、荼毘さ、なに…」
「もうお前の素性も、個性も、正体もどうでもいい。お前自身のことが知りてぇんだ。おら、まずはどこ責められんのが好きなんだよ、ここか?」
ずん、と腰が深く穿たれて、強すぎる衝撃が走る。果ててからそう経っていないのにそんな快感が背骨を突き上げるため、イズは言葉も告げられなかった。
荼毘はニヤリとして、また耳元に口を寄せる。
「かわいい、好きだ。イズ」
「ひぁっ、あっ!」
びくりと震えてまた吐精してしまうイズに、荼毘は恍惚とする。そして、乱暴に口づけて来た。思わずそれに返すが、息も絶え絶えなイズでは応戦できるわけもなく、一方的に口内を蹂躙される。
荼毘は腰を振り続け、立て続けに襲い掛かる快楽にまともな思考もできなくなっていた。
「……イズ、」
また耳元で甘い声。それも名前を呼ぶものだったから、もう耐えられなかった。再度果てるイズに、荼毘が「かわいいな」とまた小さく呟くのを最後に聞いて、イズは意識を飛ばした。