Stoic Love 2−2


翌日、竜士は千秋とともに繁華街に来ていた。千秋が仲良くしているグループの飲み会に誘われたのだ。竜士としては興味がなかったが、千秋がたまには一緒に参加していみたいと言うものだから、竜士は二つ返事で頷いた。

全部で10人ほどだが、千秋はもっと友人の数は多いという。このグループだけでそうなら、千秋は本当に友人関係が広い、と単純に感心する。つまらなく思わないでもないが、恋人の長所に得意げな気持ちにもなってしまうのである。


「よーし全員集まったな!行くぞお!」


幹事らしい男子学生が号令をとり、集合したメンバーがチェーンの居酒屋に入っていく。その一番後ろに竜士と千秋もいた。


「竜士は酒強い?」

「普通よりちょい強い。千秋は?」

「俺は普通よりちょっと弱い」


2人で晩酌などしたことがなかったからか、ここにきて初めて知ったことだった。今度2人で飲もうと思いながら足を進めると、座敷に通された。座布団に座り落ち着くと、左隣に千秋が座る。竜士が一番端だ。


「とりあえず生でいいか?」


幹事に全員異論は出さなかったので、幹事はビールと数点のつまみを店員に頼んだ。手際が良いので、いつもこういうことをしているのだろう。

そうして始まった飲み会だったが、開始1時間、すでに竜士は飽きていた。近くに座る学生と話をしても、だんだんとついていけなくなる。流行りの音楽など分からない。そもそも千秋以外に興味がなかった竜士からすれば、どこか媚びたように話を振ってくる女子にいら立ちすら内心覚える。

一方で隣の千秋は、楽しそうに飲んでいる。久しぶりと言っていたので、竜士との時間を優先してくれていたのだと分かる。
もやもやしていると、突然ひとりの学生が「自分!明日告ります!」と宣言し、周りが「うぇーい!やるじゃん!」とはやし立てた。


「あはは!またかよウケる!つか千秋飲んでねぇじゃん飲めよ〜!」


千秋の隣に座る男子も騒ぎながら、千秋の空いたグラスにピッチャーからビールを注ぐ。男子は注ぐだけ注ぐとすぐ告白するという男子に詳細を聞き出し始めた。

隣の千秋はと言うと、なみなみと注がれたビールを引いたように見ていた。口元に手を当てて、小さく「ぅっ…」と顔をしかめる。
顔が赤いので、もうビールをここまで飲まされるのはキツイのだろう。
竜士はそのグラスを手に取ると、一気に飲み干した。千秋はぽかんとしている。

あっという間にグラスを空にすると、テーブルに置いて通りかかった店員に水を適当に頼む。


「さんきゅ…」

「飲みたかっただけやし、気にせんでええ。それより、大丈夫か?」

「まだ大丈夫。でもビールはきついわ」


苦笑する千秋に、、ちょうど頼んだ水が届く。氷が揺れるグラスを渡してやると、千秋はほっとしたようにそれに口をつけた。


「…竜士、こういう場慣れてる?」

「んなわけあるか、お前が一番分かっとるやろ」

「だよなぁ…うわ、天然でイケメンかよ…」


千秋が言っていることが分からず首を傾げる。千秋はそれにまた笑うと、「竜士は繕わなくても男前だしな」と何かに納得していた。褒められてるようなので、とりあえず「おん」とだけ返しておいた。


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