爛れる


続き
柔造×主
R-18



柔造に送られると言っても、それは玲弥の部屋ではない。連れ込まれたのは柔造の部屋だ。肩を抱かれて男の部屋に入るということの意味が分からないほど子供でなかった。

扉をくぐり、少尉以上に与えられる1人部屋のベッドに連れられた。そのまま柔造はベッドに座ると、その膝の間に玲弥を座らせた。


「イラクの次はルーマニアやって?」

「ん…」


横向きに座らされ、体の右側を柔造にくっつけるようにして凭れる。その温もりに安心した。


「…、やっぱ何も言わんどこ」

「…?」

「困らせてまうだけやしな」


そう言うと、柔造はおもむろに口を重ねてきた。ぬるりと咥内に舌が入ってきて、反射で自分のものを絡ませる。厭らしい水音が響くのを合図に、柔造はシャツの下に手を入れてきた。
先ほどの藤本のように、腹筋を撫でてから胸もとに移動し、先を指で弾く。その刺激に、キスをしながら濡れた声を出してしまった。

柔造は唇を離すと、色に浮かされた目でニヤリとこちらを見てくる。それはやはり、雄臭いものだった。


「かいらしなぁ…」

「…っるせ」

「はいはい」


柔造は悪態を軽く流すと、玲弥のシャツをたくしあげた。ベストを体の横にずらし、シャツを首もとまで上げると、晒された胸にしゃぶりついた。


「んあぁっ!や、め、んん、!」


舌で転がされ、吸われ、たまに甘く噛まれる。刺激が続いて息が乱れた。


「すっかり感じるようになってもうて…」

「柔造、さん…っ!」


体を重ねるのは初めてではない。むしろ、柔造は1番多いと言えた。勝手知ったるように柔造は玲弥の服を脱がしていき、ベルトを緩める。そのまま下着ごと下を脱がせると、ベッドサイドからローションを取り出す。


「こっち向き」

「ん……はぁ、んっ、」


玲弥は促されるまま柔造の膝を跨ぐように向き合って座り、正面の柔造の肩にしがみつく。肩に頭を預けると、柔造はその手にローションをつけて玲弥の後ろへと手を伸ばした。
ぬるりとした感触のあと、柔造のゴツゴツとした指が中に入ってくる。イラク戦線で欧米の傭兵に抱かれることが多かったからか、すんなりと入った。それに柔造は少しムッとする。


「…また随分、柔いな」

「ぅあっ、ちょ、まっ、」


そして柔造は一気に指を3本に増やし、勢いよく出し入れする。拡がる感覚と刺激に声が漏れた。


「ぁっ、んぁっ!はっ、ん、」

「エロい声やなぁ?」


体勢的に自然と柔造の耳元で喘ぐことになり、柔造は呟く。その低い声もまた、玲弥の耳に直接響き、腰にずしりと重く落ちるようだった。


「もうええか…入れるで」

「ん、分か、ったから…!」


柔造は一応確認を取ると、玲弥をベッドに横たえる。そしてマウントを取り、ズボンを寛げて自身を取り出した。体格に見合った大きなモノが、ゆっくりと玲弥の中に侵入してくる。
やはり指とはまったく異なり、痛みこそないものの苦しい。だがそれすらも快感の材料となった。


「…動くで」


余裕のない声で言うと、一気に柔造はスラストを開始した。激しく柔造の自身が打ち込まれ、衝撃とともに強すぎる快感が脳天を駆け抜ける。


「…っぁあ!んっ!あっ、!」

「はぁ…っ、玲弥…っ!」


頭が真っ白になりそうな快楽に、何も考えられなくなりそうになる。いや、もともと大したことなど日頃考えていない。だから無頓着だと言われるのだ。たとえ、求められるままに体を好きにさせることですら、任務で自由に動けるならば気にしていない。そんな玲弥を戒めるように、柔造は何度も何度も腰を叩きつけた。


「俺の、こと、覚えて、おけよ…!」

「ぁあっ、も、だめ…っ、んぁあ!」


その刺激についに精を吐き出すと、柔造も玲弥の中に吐精した。荒い互いの息遣いだけが室内に響く。


「…すまん、中出してもうた」

「…別に、構わない」


構わない、という言い方にまた柔造は眉を寄せるが、横たわる玲弥を抱き締めるように柔造も横になる。


「…このまま玲弥が孕んでくれれば、戦地に送らんで済むんになぁ」

「…何、バカなこと言ってんの」

「お前を繋ぎ止めておけるなら、何でもするで」

「……そう」


柔造はつらそうに目を細め、玲弥のネームタグに触れる。ネックレスのチェーンが音を立てた。玲弥はやはり、反応を示さない。
玲弥がこのように無頓着になってしまったのも、最初からではなく、このネームタグに起因する。しかし、玲弥は変わってしまった自分のことも、特に何も思わなかった。


―――Takezo Shima

ネームタグに刻まれた名前が、鈍く光った。


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