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指を増やしていき、三本ほど入ったところでもういいか、と引き抜いた。
確か先週あたりに柔造に抱かれた気がするから、そんなに久しぶりというほどでもなかった。それにしてもあいつほんと猿だな、なんてここにはいない男の悪口を内心でついた。
「……どうするつもりか、分かった?」
「はぁ、分かっとる、けど…っ、本気か?」
真面目で堅物な勝呂のことだ、恋人でもないのに、とか、男どうしで、とか考えているのかもしれない。恐らく、ぐるぐるとしているだけだろうが、これほどの媚薬で思考をそこまで保っていることがすごい。
「まぁ、な。童貞奪っちゃうけどへーき?」
「んなモン、こだわってへんわ、アホ…」
勝呂は熱い吐息をつきながら、呆れたように言った。それには少し意外に思って、その朦朧とした目を見詰める。
「お前が、それでええんかってことや。っはぁ、俺のことや、ない…嫌だったり、せえへんのか」
「っ、!」
なんと、勝呂は玲弥自身のことを気にかけていたらしい。ここまで好き勝手されて、それでも受け入れる側に回った玲弥を心配しているのである。
なんだこいつ男前過ぎだろ、と玲弥は思わず息をつく。玲弥の周りには優しい人が多いから、柔造やライトニングのように簡単に体を求めてきながらも、彼らは常に玲弥を気にかけてくれる。だが、勝呂のこの状況でのそれには、さすがの玲弥でも心が動いた。
心のない人形と思われるような玲弥でも、である。
「…別に、ダッチワイフ的な人形と思えば?そんな気にすることじゃない」
「…っ、何言うとんねんや、アホ。ホンマ、はぁっ、アホやな」
「んな…っ」
そこで気にするなと言ってやれば、勝呂はさらに重ねてアホと言ってきた。一応こっちは准大尉だぞ、なんて今更なことを思うと、勝呂はしっかりとこちらを見詰める。
「お前が…っ、何考えてんのか、分からへんけど、俺は、お前を、抱くつもりでおる…はぁ、人形やとは、思わへん」
「…す、ぐろ…」
なんでかもう覚悟を決めているらしい勝呂は、熱に浮かされて潤んだような目でいながらも、いつもの目力でこちらを見据えた。あくまで、誰でもいいとは思わないらしい。
「……俺も、勝呂だからいっかな、って、思う部分あんだよ」
「……?」
小さく呟くと、勝呂の返答を待たずに、勝呂のモノを後ろで咥えこんだ。大きなそれが中に入ってくる感覚に息を飲む。
ゆっくり埋め込むと、勝呂が呻いた。強すぎる快感に、きつく目を閉じている。
「っはぁ、入った…」
「うっ……!」
自分からここまで能動的になったことなどない。いつも求められて受動的に体を差し出していただけだった。
「はぁ…っ、ん、勝呂、俺、動くから…お前も、動きたかったら、動けよ」
「っ、あぁ、」
といっても動かせるのは腰だけだが。いよいよ勝呂は余裕がなくなり、自然と腰を上下に振った。それに合わせて、玲弥も体を揺らして勝呂の自身を抜き差しした。
騎乗位とか初めてだな、とうっすら思う。勝呂同様、もう玲弥も思考が溶け始めていた。
「ぅあ、ん、はっ、あぁ!」
「はぁ、…、くっ、」
勝呂の胸板に手をついて必死に腰を振る。汗が首筋を伝う気がした。勝呂は快感に顔を歪めながら、腹筋を使って腰を動かし続けていた。この姿勢で動き続けられるのはさすがだ。
やがて、媚薬の影響もあり、すぐに勝呂は果てた。中に熱いものが注がれるのを感じる。
「んんっ、!はぁ、…っ、」
「……っ、はぁ、」
「…す、ぐろ…大丈夫か…?」
少し心配になって声をかけてみると、勝呂は呼吸するだけで答えない。