Contemporary II: the sin
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1935年、ヨーロッパは緊迫した空気に包まれた。
ドイツがヴェルサイユ条約を破棄して再軍備宣言を行ったのだ。
イギリスは自らこれを認めたが、フランスはロシアと組んで対抗した。
するとドイツはそれを受けてロカルノ条約を破棄、ラインラント進駐を強行した。
一方その頃、スペインでは革命後の混乱で生まれた政府に対して反抗が起き、内戦状態に陥っていた。
「うっ、ロシアでもドイツでも誰でもええから助けたってー!!」
「ごめんお兄さんパス」
「俺も無理だわ」
「金塊くれるならいいよ」
「俺は関わらない」
「スペイン兄ちゃんごめんね、俺もやめとくー」
イギリス、フランスは不干渉を唱え、ドイツとイタリアもこれに同調した。
かと思えば、ドイツとイタリアは反乱軍を支持して平然と爆撃を行った。
「え、なんなん、ロマまで…」
「…許せこのやろー…」
ゲルニカ空爆など、世界に衝撃を与えながらドイツとイタリアは介入を続け、1937年には日独伊防共協定が結ばれた。
国際連盟はなにもできず、ただスペインが荒廃していくのを見ているしかなかった。
ドイツの勢いは止まらない。
1938年、オーストリア併合。
チェコスロヴァキアにズデーテン割譲を要求し、チェコスロヴァキアの代表を招かないままイギリスとフランスはドイツにそれを認めた。
代わりにこれ以上の領土要求をしないことを条件にし、ドイツはそれを飲んだ。
「いやぁ、あいつはなかなか話が分かるやつだったぜ?」
帰ってきたイギリスがそう言った直後、ドイツはチェコスロヴァキアを解体しチェコを併合、スロヴァキアを保護国化した。
さらにポーランドにダンツィヒ割譲とポーランド回廊通過権を要求したのだ。
「ちょ、なんとかしろしー!!」
「あいつやっぱ信用ならねえ!!」
「ほんっといけすかない!!」
「イギリス君もフランス君も信用できないなぁ…このままドイツ君とやりあうのはやだな」
ロシアは開戦を伸ばすため、ドイツと不可侵条約を結び、東欧の分割案をまとめた。
緊張が急激に高まる中、アルレシアの家をドイツとプロイセンが訪れた。
要件は分かりきっている。
「俺は中立を崩さないぞ」
「まぁまぁそう言うなってアルレシア!!」
プロイセンはソファーにふんぞり返って反対側に座るアルレシアを見詰める。
「お前だって、俺たちに勝てるとは思ってねえだろ?」
「いざとなればアメリカに軍の本土駐留を許してある」
もし本土に攻めこまれそうになったら、アメリカ軍を本土に置けるようにしてある。
ドイツ本土も近いため、ドイツも困るだろう。
「じゃあ…戦う気なんだな?」
ドイツは静かにアルレシアに尋ねる。
「あぁ。だが、基本は永世中立…イギリスたちと仲良しこよしするつもりもない」
「最初から俺たち側についてる方が楽だぜ?」
「最初から本土の外で戦いたいんだろ?」
「バレてたか」
ロシアとは東欧で、イギリスやフランスとはフランスやベルギー、そしてアルレシアで戦い、ドイツ本土での戦闘を避けるつもりなのだ。
「最悪」
「誉めんな」
これほどまでにプロイセンが憎たらしく見えたことはあっただろうか。
アルレシアは二人を睨み付けながら足を組んだ。
「一つ提案だ。不可侵条約、これでどうだ?」
「敵になるくらいなら、ってことか」
ドイツは顔を険しくする。
「不可侵条約が有効の間はイギリスたちとも協力しない」
「ま、落としどころはそこだろうな」
プロイセンも一定の理解はしているようだ。
「いいだろう、不可侵条約を結ぼう」
「一応だが…お前らがこの条約を破ったら、未来永劫ドイツとの交流はもたない」
「っ、絶交ということか」
身じろぐドイツをプロイセンが軽く睨む。
「いいぜ、破らねえからよ」
「…信じてるからな」
不安げなアルレシアの声にプロイセンも息が詰まったが、そこはさすがというべきか、すぐ建て直し「おう」と答えた。
こうして1939年8月30日、ドイツとアルレシアは不可侵条約を締結した。
同時に国王は勅令を発布し、この条約が相手によって破棄されれば、その相手と永遠に国交を断絶し、同じ机にもつかないとした。
第二次世界大戦直前のことだった。