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「僕も反対だなぁ。ちょっとプロイセン君強くなりすぎじゃない?」

「お兄さんは妥当な気がするけどね?オーストリアはそんなに言うほど活躍してないだろ」


他の列強であるロシアも反対するが、フランスは反対しなかった。あからさまな賛成でもないだけだが。ロシアはやはり勢力均衡として、フランスはドイツ地域の領土交渉に興味がないようだ。


「…俺も反対はせえへん。ルクセンの扱いだけやざ、ドイツで気にしとるのは」


ラインラントが併合されると国境を接することになるオランダは、反対しない。有事の際、頼れる陸軍戦力が近くにいることはメリットになる。
隣にいるアルレシアも、オランダに続いて意見を述べることにした。正直国境にあまりこだわりはないが、少なくとも北海交易へのプロイセンの参画は先伸ばしにさせたい。


「俺も正直なんでもいいけど…ハノーファーとオルデンブルクは独立を維持するべきだとは思う。ブラウンシュヴァイク=リューネブルク系にしても、ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンヴュッテル系にしても、イギリスとの同君連合を差し引いても軽んじていい相手じゃない。オルデンブルクもな」


そう言うと、プロイセンはニヤリとした。


「本音は?」

「北海は俺の庭だ」

「アルレシアのそういうとこ好きだぜ」

「あ"?」

「冗談だっつの睨むなオランダ…」


軽口を言い合えば、オランダの地雷を踏んだプロイセン。フランス支配下の別離は、たった数年でもオランダを傷つけていたのだろう。


「俺が好きなのはお前なんだからいいだろ」

「アルレ…」

「そういうのは後にしてもらえますかこのお馬鹿っプルさんたちが!」

「なんだそれ…つかさ、オーストリアはどうなんだよ。ザクセンの処理とテューリンゲンの整理、アンハルトの統一と南ドイツの独立維持、ルクセンブルク国境の見直しにラインラントとヴェストファーレンの整理。加えて北イタリア併合だっけ?お前も大概だよなぁ」


オランダの手を握り見つめ合うと、途端にオーストリアから怒られた。無粋なことしやがる、とアルレシアも不躾に聞いてやれば押し黙る。


「ルクセンの国境を見直すんやったら、同時にベルギーのことも考える必要があるさけ、一筋縄じゃ行かへんで」

「…ええ。度重なる戦争で、南ネーデルラントもラインラントもヴェストファーレンも、もはや立ち行きません。バーデン、ヴュルテンベルク、バイエルンは領土を保ち、プファルツは引き続きバイエルンが領有でいいでしょう」

「南ドイツは俺様もそれでいいと思うぜ。ネーデルラントとラインラントは、ぶつかるなぁこりゃ」


お前がぶつかってきてるんだろ、とはさすがに誰も言わなかった。オーストリアも言いたそうにしたが、自身の意見を続ける。


「ザクセンは大戦における裏切り行為への代償を払うべきでしょう。小国が多いアンハルトとテューリンゲンは領土の見直しを。北イタリアは、大戦時の国境をいくらか再利用してもいいのではないでしょうか」

「誰がどの君主やるんだちくしょー」

「せやでオーストリア、ナポレオンの親族のために設けられた玉座やってあるんやさかい、どの家に任せんねん」


誰が君主をやるのか、共和制の国すらあった北イタリアでは難題だ。ロマーノとスペインの指摘に、オーストリアは「そこを協議しようという話です」とすげなく返した。


「ドイツを統一したい野望はプロイセン君もオーストリア君も同じだね。じゃ、ポーランドはほとんど僕が持っていっていいのかな?」

「なんでそうなんだよ」

「だって、君らはドイツもポーランドにも拡大できるけど、僕はポーランドだけだもの」

「フィン併合してよぐ言う」






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