新たな双子のかたち−10
しばらくそうしていると、焦凍がそっと体を離した。至近距離で目線が絡み合う。互いに左右対称になったオッドアイの、瞳の奥まで見えることだろう。
「…キス、していいか」
「…うん」
そういう空気でもきちんと聞いてくれた焦凍は、間違いなく優しい。
焦凍は灯水の答えを聞いてから、そっと、目を閉じて唇を近づける。灯水も同じように目蓋を閉じると、焦凍の唇と自分のものを重ねた。ゆっくりと触れ合った唇はそう体温が高くなく、吸いつくようにくっついた。
一度それを離してから、もう一度重ね合わせると、今度はゆっくりと焦凍の舌が入って来た。ぬるりとしたそれを受け入れると、感じたことのない感覚が口内に入ってきて、灯水の舌と絡み合った。
特に味がするわけでもないが、唇よりか温度のあるそれが口内で動くのは不思議な感じがする。口内で動く舌を必死に追っていると、いつの間にかすがるように焦凍の肩に手を置いていた。焦凍の腕は灯水の腰に回っている。
焦凍の舌はだんだん大きく動いていき、重なる口の位置を変えながら深くなっていく。そして、舌が灯水の上あごを撫でたとき、ぴりっとした感覚が走り、思わず「んっ」と声が漏れた。
それに気を良くしたのか、さらにそこを強めに撫でてくるものだから、耐えられなくなって自身の舌で追い返そうと押し出した。すると誘われるままに焦凍の口内に自分の舌を入れており、それをいきなりジュッと吸われた。引っ張られる感覚が舌の付け根に走り、舌の先は軽く歯で撫でられて、さらに声が漏れ出てしまった。
「んぅっ、はぁ、」
さすがにもう、と思って口を離すと焦凍も応じて体を離した。また至近距離で目が合う。
「…気持ちよかったか?」
「……気持ちよかった、けど、いつのまにこんな…」
こいつも童貞だろうと少し不安になりかけるが、焦凍はなんでもないように言った。
「調べた」
「ネットで?」
「おう。実践したのは初めてだけど、案外うまくいくモンだな」
「そ、そうですか…」
あっけらかんとされれば灯水も脱力する。すると、焦凍は灯水を布団に押し倒した。この前とは違う、優しく気を遣ったものだ。
「焦凍…?」
「んな不安そうにすんな、今日はしねぇよ…最後までは」
「…ん?」
焦凍は不穏なことを言うと、灯水の右手を掴む。それを自身の足の付け根まで持っていくと、スウェット越しに怒張したものに押し当てられた。
「っ、!」
「わり、キスしただけでやべぇわ」
「しょ、うと」
焦凍はそう言うと、灯水のシャツの中に手を差し込んだ。ごつごつとした焦凍の大きな手が灯水の腹筋をなぞり、徐々に上に向かっていく。触れられたところが熱を持つようだった。
「ん、」
「嫌だったら言えよ」
「嫌じゃ、ない…ぁ、焦凍に、触られると、なんか、気持ち、いい」
「っ、灯水っ!」
焦凍は息を飲むと、急に灯水の胸元に手を到達させ、そして胸の先をきゅっと摘まんだ。気にしたことのなかった場所を焦凍にそうされただけで、甘い痺れを感じた。
「ぅあっ、!んんっ、」
「はぁ、灯水っ…!」
焦凍は手をそのままに、もう片方の手で灯水のシャツをたくし上げていく。外気に晒された灯水の体を恍惚と眺めたあと、反対側の胸にしゃぶりついた。
「んぁ!ちょ、それっ、んっ、!」