旧拍手お礼文
−晩酌(独)
ドイツの家での会議のあと、アルレシアはそのままドイツの住む屋敷にお邪魔した。
プロイセンを口で言い負かして遊んだり、ドイツに国債を売り付けようと誘導したりしながら夜を過ごす。
やがてプロイセンは自室で眠りにつき、リビングでビールを飲んでいたドイツとアルレシアも眠気を強く感じるようになった。
「そろそろ寝るか?」
ジョッキを空にしたドイツが聞くと、アルレシアは時計を見て頷く。
「晩酌はこんなもんだな」
アルレシアの前にはビール缶が15本、空になっている。
「いつもそれくらいなのか?」
「んー…本数はこんくらいかな。昔の酒はきつかったし、水の方が貴重だったから、度数的には昔からこんなん」
「そうなのか…」
感心したようにしながら、ドイツはジョッキをシンクに片す。
「悪いな、缶ばっか」
「それは構わない。俺もよくやる」
大量の空き缶を洗って分別し、ようやく片付けを終えたところでキッチンの灯りを消す。
「客室があるから、そこで寝てくれ」
ドイツが廊下の奥を指すと、「は?」というアルレシアの声が帰ってきた。
「添い寝じゃねえの」
「なっ…」
驚いて言葉を失うドイツに、アルレシアはむすっとした。
「別にヤろうってわけじゃない。ただ一緒に寝るだけ」
「そ、そうか…いや、でもだめだ、客室へ行ってくれ」
動揺するドイツに、アルレシアはますます不機嫌になった。
「イタリアはよくて俺はダメなんだ。俺は恋人なのに。いつまで枢軸やってんだよ」
アルレシアは酔ってはいないが、確実に感情の起伏が激しくなっている。
まずいと思ったドイツは仕方なく折れた。
「分かった、俺の部屋でいい…」
そうして、二人はドイツの寝室のベッドに入った。
「それにしても、なんでいきなり俺の部屋なんだ?」
いつもは客室に泊まるアルレシアがなぜ今日、とドイツは脳内がぐるぐるとしていた。
「くっつきてえの」
しかしアルレシアの返答は至ってシンプルだった。
ベッドの中、アルレシアはドイツの腕を掴むと強制的に枕替わりにする。
「おい、」
慌てたドイツが横向きになると、アルレシアはその屈強な胸板に擦り寄った。
「あったけ…」
ほっとしたような声が聞こえて、ドイツは脱力する。
結局、単に肌寂しかったということか。
「やっぱり飲み過ぎたんじゃないのか」
「…そういうことにしとけ」
アルレシアはいたずらっぽく笑い、目を閉じた。
そのうち寝息を立て始めると、ドイツはため息をつく。
「…くそ、どうしろというんだ…」
据え膳もいいとこである。
高ぶる熱を無視しようと素数を数えたが、結局次の日は寝不足のまま過ごすことになるのだった。