小ねた集
−hedge on love on bed(世界)



●年間夜の営み回数ランキング
下ネタ注意




2005年のとある日の世界会議は、とある話題で持ち切りだった。
本題が始まる前の時間からすでに各国は楽し気にその話をしていた。

特にその話題で絡まれているのはアジア勢、さらに言えば日本だった。

正直辟易としているのだろう日本の様子は見るからに明らかで、アルレシアは少し同情した。


そして会議が始まると、アメリカは「みんなこれを見てくれ!」と前方スクリーンにある表を映しだす。


「世界のエロ国家イギリスがつくったランキングだぞ!相変わらずこういうことしか考えてないんだな君は!」

「うっせーバカ!ジョークじゃねぇぞ!」


アメリカが出したのは、イギリスのコンドーム会社が世界41か国で行った調査結果。
なんの調査かと言えば、会社からして察するに容易い。

『年間のセックス回数ランキング』

1年間に何回セックスをするのかという平均回数をランキング化したものである。正直数学的、統計学的に言えばあまり信憑性の高いデータではないのだが、まともにこのようなことを統計として出したのは初の試みだったこともあり、世界中から注目が集まった。
また、性生活への満足度も同時に調査している。


「世界平均は年間103回、満足度は44%なんだぞ!ちなみに俺は113回で52%だ!1位だと思ったんだけどなー!11位だったんだぞ!」

「ふむ、なかなか興味深いな…社会保障など制度的なことやGDPは反映されていないようだ」


悔し気にするアメリカの背後にある表を、ドイツは顎に手を当てて感心して見ている。
そんなドイツは年間104回、満足度は47%で24位だ。こんなときでも真面目に考えているのはまさにドイツだ。


「最も平均的なのはフィンランドとアルレシアか」

「そうですね、僕は普通くらいかなって思ってました」

「俺も。まぁ普通だろ」


そしてドイツは最も平均値に近い国の特徴から考察をすることにしたらしい。平均値に近いのは、フィンランドとアルレシアだった。

フィンランドは年間102回、満足度は41%で26位。
アルレシアは年間101回で満足度は42%、27位である。


「我輩とドイツは回数だけなら平均値だが、名満足度が高いな」


ドイツと同列の104回で24位のスイスが言う通り、2人の満足度はドイツが47%でスイスが51%と平均より高めだ。若干顔を赤らめているのはスイスらしい。


「俺ら北欧は平均以下だっぺな〜」

「あんま変わんね」


デンマークとノルウェーは同列で年間98回で29位、スウェーデンも92回で34位だ。フィンランドもそうだが、回数は平均以下である。


「でも3人とも満足度は高いですよね」

「ん、そっちは平均以上だない」


フィンランドが指摘する通り、デンマークは49%、ノルウェーは44%、スウェーデンは45%と満足度は平均以上となっている。


「ん!?アイスおめ、すげぇな!」

「ちょっ、やめてよダン…!」


するとデンマークが大声で驚き、アイスランドが顔をサッと赤らめた。
アイスランドは年間109回で満足度50%、どちらの数値も北欧でダントツで、14位だ。


「いや、意外性でいえばチェコとブルガリアだろ」

「そーだろそーだろ!俺、こう見えて結構やることはやってんだわ!」

「は、はしたないですわ!」


そこでアルレシアは助け船ではないが、思っていたことを口にしてやった。別のところで顔が赤くなる。

チェコは年間120回で満足度50%の第5位、ブルガリアは127回で49%、4位である。


「お兄さんと並ぶとはやるねぇ、チェコ」

「は、破廉恥ですわ!」


フランスはチェコと同列の120回で5位だ。


「チェコと意外とすごかったんだなぁ…」

「やめなさいこのタコ!」


しみじみと感心するスロバキアは106回で46%、19位だ。スロバキアと同じ106回で19位の国には、イタリアとベルギーもいる。


「ヴぇ〜、俺もスロバキアと一緒だ〜。ベルギーさんには満足度で全然かなわないけど」

「満足度でいえばウチがトップやね」


回数は一緒でも、ベルギーの満足度は57%とぶっちぎりのトップである。満足度でいえば、ベルギーに続いてポーランドの56%、オランダの54%が高い。
ちなみにこのポーランドとオランダは回数も同じ年間115回で8位である。


「俺けっこー満足しとるし〜。1番じゃないの悔しいけど〜」


あまり悔しそうでない様子のポーランドは、それだけ言うと早くも飽きたのか、データがない隣のリトアニアに絡み始めた。
「そう思わん?」「知らないよ!」といつも通りだ。


「オランダお前、なんだかんだエロいもんな」


イギリスと同じく、オランダもなかなかのエロ国家だ。というか、麻薬も売春もOKな国だけある。


「満足させるで?アルレ」

「にしても、ラテン系があんま振るわねぇな」

「………」


何か言っているオランダを放っておき、意外と数字が低いラテン系を見てみる。
19位のイタリアのほか、16位のポルトガルは108回でオーストラリアやカナダと同列。
22位のスペインは年間105回でオーストリアと同じだ。
南欧組がさほど高くない。


「アルレシアが相手してくれるんやったら年間367回はいけるんけどなぁ」

「殴るで」

「いっだぁ!?もう殴っとるやろ!?」


うるう年でも1日1回できかない回数をほざくポルトガルに、オランダが殴ると言いながら殴った。


「親分満足度は高いで〜、せやからアルレ今夜どぉ?」

「かやすで」

「いっだぁ!?」


スペインは満足度は48%で高めだ。ふざけたことを抜かすスペインを、オランダが大外刈りで床にはっ倒した。


「まっ、俺らラテン系は常に愛とエロスと求めるからね、満たされることなんてないのさ」


フランスはどこから取り出したのか、赤いバラを片手に自分に酔うように言った。イタリア兄弟とポルトガルが頷く。


「まぁでも、ギリシャにはかなわねぇけどな」


ロマーノはしかし、表の一番上を見て苦笑いする。
それはランキングでぶっちぎりトップの国、ギリシャだった。
年間138回、堂々の1位だ。


「そう…?別に、ふつう」

「普通な訳あるかエロガキ!哲学と猫とセックスのことしか頭にねぇんだろぉが!」


そう言うトルコは111回で13位だ。


「なるほど、バルカン半島の国々が上位を占めているな。スラヴ系の血がそうさせるのか…?」


ドイツはそうした各国の様子を見て、呟く。上位5か国は、ギリシャに始まりセルビア、クロアチア、モンテネグロ、ブルガリア、チェコとバルカン半島やスラヴ系国家が続く。ブルガリアとギリシャはそれぞれアジア系とラテン系で民族が違うが、かなりスラヴ系の混血の割合も高い。


「アジア勢はやっぱ低いのな」


それに対し、表に下側にはアジア勢が並ぶ、によによとして言うイギリスは、フランスに続き118回で7位だ。
そしてイギリスが言う通り、東アジアのトップはタイで、年間97回で31位である。総じてどこも30以下となっており、香港やインドは70回代となっている。


「それにしても日本、君大丈夫なのかい?」


さらにその下、最下部にはぶっちぎりで最下位の国があった。極東の島国、日本である。


「年間45回て…欧州最下位のスウェーデンの半分以下じゃない…」

「俺の……三分の一……」


フランスは恐ろしいものを見るように、ギリシャは解けない命題にぶちあったかのように深刻そうな顔をしている。
北欧を除きほとんど100回以上を数える欧州諸国も同様だ。


「年間45回とは、すなわち週に一回です。私の家、休みありませんから…休日にやっと一回、といったペースですかね」


oh...Japanese...と欧米勢の同情に満ちた声がそこかしこに落ちた。



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2005年
セックスレスな日本人
ガーディアン


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