小ねた集
−National Joke 2(世界)
●コンクール
国民性ジョーク2
有名な指揮者が有名な楽団を指揮して演奏するコンサートがあるというので、アルレシアはオランダとともに来ていた。
ちょうど会場近くで行きたいリストランテがあったこともあり、オランダと食事をしてから来た。
「早く着きすぎたな」
「ほやの」
20分前の到着とは、なかなかに早い。早めに行動するときの余裕は好きだ。
すると、扉の前に見慣れた二人がすでに待っているのが見えた。
「よっ、ドイツ、日本」
「アルレシアにオランダか」
「どうも」
開場して進む列の最後尾にいたので声をかけたのは、ドイツと日本だった。
「相変わらず早いな」
「そうか?一時間前に着いたんだが…」
「一時間……?」
もはや時間を間違えたレベルである。何が二人をそこまで急かすのか。
「お前らこそ相変わらず一緒だな」
「伴侶やさけ、当たり前やろ」
「何を言ってんだ」
そんなことを言いながら会場に入ると、後ろの方で席につく。ちゃんと後方真中に座れて良かった。
それから少しして、開演10分前にイギリスがやって来た。
「お前らもう来てたのか」
「イギリスさん、こんばんは」
すでに座る四人に驚くイギリスだが、わりとこのメンバーは早めに行動するタイプだ。
「はぁ〜間に合った」
「余裕だって言ったやんリト〜」
暗くなって開演ブザーが鳴ったところで、閉まる扉に滑り込むようにして二人が入ってきた。
リトアニアとポーランドだ。
なぜか国のメンバーがまとまって座っていく。リトアニアたちは静かになったのを気遣ってか、先にいたアルレシアには手を上げての挨拶だけしていた。
「あら、始まっちゃってたのね」
5分ほどして、焦った様子を見せずにフランスが入ってきた。女性ものの香水がするため、大方道草食っていたのだろう。
イギリスに睨まれながらフランスは笑って席についた。
「わぁー、間に合わなかったよー」
開演から15分、もう何曲か終わったところでふらりとイタリアが現れた。
悪びれずにドイツの横に座ると、無言で首を絞められていた。
そしてさらに開演から30分以上して、ニコニコとしたスペインがやって来た。
「わーもう始まってるやんか〜」
「うるせえぞ」
イタリア同様悪びれずにアルレシアの横に座るスペインを、オランダが無言で蹴飛ばす。
スペインはそれに気付かずけらけらと笑った。
「…あれ、つかポルトガルは?あいつも来るって言ってたよな」
「ポルトガル?さぁ、俺も分からへんわ」
アルレシアはオランダやドイツなど周りの国を見るが、全員首を振った。
ポルトガルがいつ来るのか、誰も知らない。