小ねた集
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「アルレシア!俺らスカンジナビア航空も忘れねぇでくんろ!」

「あぁ、カルマルフラッグキャリアか」


まるでかつてのカルマル同盟を彷彿とさせるように、スカンジナビア3王国は合同のフラッグキャリアのような会社を擁する。スカンジナビア航空は、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーをまとめあげ、日本路線も多く就航している会社だ。


「僕もいますよ!」


ひょっこり顔を出すのはエストニア、その後ろで震えながら「僕はもう違うってぇ…」と言っているのはラトビアだ。
それぞれ、フラッグキャリアをスカンジナビア航空に作ってもらっており、いまだにエストニアはそのグループにいる。ラトビアは独立したが、実情は推して図れる。


「東欧も忘れないで欲しいし〜」

「南欧もやで〜」


一方、ポーランドとポルトガルという不良経済の国もひょいっと手を上げる。
LOTポーランド航空は、フラッグキャリアのわりに格安で知られており、東京からプラハまで往復7万円を切ることもある。最新のボーイング787も有しているので、キャリアとして問題ない。

これまで東アジアからの北方路線は、ロシアにほとんど牛耳られていた。しかし、フィンランドがそこに殴りこんでからはスカンジナビア航空とLOTポーランド航空も追随している。しかもロシアよりサービスが遥かに良い。

また、スターアライアンスには他にスロヴェニア、クロアチアのフラッグキャリアも参加しているため、東欧が異常なまでに充実していた。もちろん、オーストリア航空とルフトハンザの路線網もある。

さらにそれを強化するようにギリシャのフラッグキャリアであるアドリア航空とオリンピック航空もいるので、西バルカンは制圧されているようなものだ。

ポルトガル航空がいるので西欧路線は完全に薄いというわけではなく、結構ポルトガルも頑張っている。


「でも、やっぱ他に比べて西欧路線は見劣りするな…」


そう、欧州路線に厚いスターアライアンスだが、西欧がかなり薄いのだ。フランスやスペイン、イギリスの企業が入っていないのである。
路線網として非常に強い英仏がいないこと、格安のスペインがいないことは痛手だ。

一応、スイス、ルクセンブルク、ベルギー、ポルトガル、ドイツの会社で持たせているし、ポーランド航空やスカンジナビア航空も路線はあるので、ひどく薄いわけではない。


「アルレシア!これからは亜細亜の時代ある!」

「おお…お前が言うと説得力しかねぇな」

「私もいますし…」

「私も頼らんね」


そこへ、中国と日本、そしてインドもやって来た。中国の国営フラッグキャリアである中国国際航空と深*航空、インドのフラッグキャリアであるエア・インディア、そして日本最大のANAだ。
「私もいますよ」とほほ笑むのはタイ。国営フラッグキャリアであるタイ国際航空がいる。


「中東路線は俺とエジプトに任せろってんだ!」

「北米は僕もいるよ」

「オセアニア代表は僕でーす」

「おお、カナダが見える…」


アルレシアはいつになく存在感を示すカナダに驚きつつ、アジア勢の多さに舌を巻く。
やはり今は中国だ。何よりも中国人が必要だ。そのうえで、フラッグキャリアがいるのは非常に強い。インドもいるし、タイとシンガポール航空もいる。
乗り継ぎ客が非常に多い中東路線も重要なのだが、そこはトルコのターキッシュエアラインズとエジプト航空がカバーしている。
金持ちが多い北米からは、カナダがいる。カナダの会社はカナダ航空による独占状態であるため、アメリカのユナイテッドと合わせ北米が揃うのはスターアライアンスだけである。
オセアニアからはニュージーランド航空が参加している。

このほか一応中南米からも2社参加しているので、全世界が路線網となっていることになる。


「そういや、アメリカはなんも言わねぇの」

「俺かい?俺のビッグ3はみんな世界規模だからね、みんなそれぞれのアライアンスにいるし、俺はアルレシアがどこにいっても一緒だぞ!」


ふと気になって聞いてみると、アメリカ様はそんな回答だった。
事実、アメリカ最大のアメリカン航空はワンワールド、2位のユナイテッド航空はスターアライアンス、3位のデルタ航空はスカイチームにいる。どれをとっても世界最大規模の会社であるため、本当にどこでも一緒なのだろう。
かつてアメリカの会社に散々な目に遭ったドイツと日本の白い目を見てみぬふりしていた。


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