神聖円卓領域キャメロットIII−14


オジマンディアスはそう言うと、聖杯を出現させて、そこに自らの腕を切って出血させた血を流しいれた。そしてそれを口に含む。

すると、眩い光とともにオジマンディアスの体は掻き消え、代わりに、黄金の柱が立ち上がる。魔神柱だ。
恐らくソロモンの手先のそれとは違う。むしろ、アメリカでメイヴがやったことに近いだろう。


「七十二柱の魔神が一柱。魔神アモン…いや、真なる名で呼ぶがいい。我が大神殿の主神、大神アモン・ラーである!」

「魔神柱にアモンという神の形を与えて召喚したってことか…」


魔神柱という存在にアモンという神の概念を付与することで疑似神霊召喚を行っているのである。とんでもない所業だが、聖杯の力とはこういうことだ。
聖都攻略前に魔神柱と戦うことになるとは思わなかったが、いずれにせよ出し惜しみはなしだ。
広大なホールですら狭く感じるほどの黄金の柱を前に、立香はキャスターとアストルフォを、唯斗はサンソンとアキレウスを召喚する。


「うっわなにあれ!?キッモ!!」


アストルフォはドン引きしている。そういえば、今回カルデアから呼んだサーヴァントではアストルフォだけが魔神柱と戦闘経験がなかった。
サンソンやキャスターは慣れたようにげんなりと見上げていた。


「今回のは随分金ぴかだなァ」

「あれ一応オジマンディアスだから」

「げぇっ、マジかよ。ぜってーあんなんなりたくねぇ」


アキレウスもアキレウスで言葉を選ばない。だがサーヴァントであれば誰もが思うのだろうし、それでもオジマンディアスは、こうなってまで相手をしようとしてくれているのである。

早速戦闘開始となり、藤太と三蔵、ダ・ヴィンチは左側から攻撃を開始した。三人とも遠距離攻撃が主体だ。
一方、アキレウスは戦車に、アストルフォはヒッポグリフに乗って空中に飛び立つと、魔神柱に対して空中からの攻撃を開始した。
キャスターは中央から、マシュとサンソンは右側から攻めていく。

計8騎の攻撃に対して、魔神柱は眼光による爆破と自己回復のほか、地中からの衝撃波攻撃などもたまに混ぜてくる。


「うおっ!」

「わっ!」


唯斗たちマスター側にも攻撃を仕掛けてきて、間一髪のところで互いに避けたが、二人がいた場所は眼光による爆破で大理石が吹き飛んでいた。


「マシュ!」

「マスター!」


慌ててマシュが戻ってきて、立香のそばで護衛にあたる。キャスターも少し後退した。
これでは右側が手薄になるため、立香にキャスターを右へ配置するよう頼もうとした、そのときだった。


「ぐぁッ!!」

「っ、サンソン!」


爆破によって吹き飛ばされたサンソンが、思い切り壁に叩きつけられる。さらに追い打ちをかけるように、飛び回るアストルフォを連続して光線によって撃ち落とし、壁が一気に崩落してサンソンとアストルフォは下敷きになった。


「アストルフォ!まずい、ジャック!」

「呼んだ?おかあさん…あれを解体すればいいの?」

「うん、お願い」

「任せて」


立香に呼び出されたジャックが右から魔神柱に向かう。代わりに、アストルフォをカルデアに下がらせた。
唯斗もサンソンのところに駆け寄るが、瓦礫の下敷きになったサンソンはぐったりとして血を流している。


「サンソン、大丈夫か」

「…すみ、ませ…僕は、カルデアのサーヴァントです、ご心配、なさらず…」

「心配するに決まってる!無理するな、もう一押しだから戻ってくれ」

「…はい、マスター…どうか、お気をつけて…」


サンソンをカルデアに戻したが、あれはほぼ消失と言っていい。もう、この特異点にサンソンを呼び出すことはできない。

しかし、そこでちょうどアキレウスの重い打撃が入ったことで、魔神柱は再び光に包まれて消失した。
忽然と巨大な姿が消えると同時に、オジマンディアスがなんでもなかったかのように立っていた。


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