藍色の愛−8
再び唯斗に覆い被さったアーサーは、唯斗の礼装のスラックスを脱がせて下着だけにする。少し唯斗の自身は落ち着いてはいたが、アーサーが首、鎖骨、胸、腹筋とキスを落としていくと、それに次第に煽られるように熱が溜まっていった。
腸骨が浮き出た腰にキスを落とされ、そんな些細なことにすら震えてしまう。
アーサーは小さく笑い、今度は太ももの内側にキスをしてこちらを見上げた。
「どこを可愛がっても感じてくれるね」
「う…、」
おかしかっただろうか、と思ってどう反応すればいいのか分からなくなる。それに気づいたアーサーは再び笑うと、唯斗の下半身の方へとずらしていた体をこちらに戻し、頭を撫でながら額にキスをした。
「ごめんよ、からかっているわけではないんだ。ただ、可愛くて」
「……甘やかすって言っただろ」
「ふふ、そうだね。あんまり可愛いものだから」
そんなに「可愛い」と連呼されると、様々なサーヴァントやアーサーに言われ慣れてしまった唯斗であってもさすがに恥ずかしくなってくる。最初はただ一度言われるだけで動揺していたのに、あんまりにも唯斗のサーヴァントたちが唯斗に「可愛い」と言うものだから、麻痺していた。
最初の動揺していた頃の感覚を思い出させるほど連呼され、無性に顔を隠したくなった。
腕を顔にやった唯斗を見て、アーサーはその腕にすらキスをする。
「こら、隠してはいけないよ。すべて見せて」
「っ、マジで恥ずい…もっと忖度しろ…」
「いいや、慣れてもらわないと。照れた顔も、感じているところも、言わずに隠してしまった言葉も、全部見せることに、ちゃんと慣れてくれ」
「……引かない?変じゃないか、俺」
「まったく。あぁ、一発で分からせる方法があるね」
するとアーサーはおかしそうに言うと、唯斗の手を掴んで下の方へと誘導する。そこはアーサーの下腹部で、張り詰めたそこに触れさせられた。
当然だが、アーサーのものを触ったことなどこれが初めてで、布越しに感じる熱と大きさ、堅さがリアルに指先で感じられた。
カッと顔に熱が上がる。それでも、アーサーは隠させてはくれなかった。
「君を見てこうなっているんだよ。すまないね、冷静なところを見せていないと君を不安にさせてしまうから。今、僕はこう見えて理性を総動員している。それが緩むと、きっと君を貪るように抱いてしまう。それはもう、めちゃくちゃにね」
アーサーはそんなことを唯斗の耳元で低く囁いた。濡れたような湿度を持った言葉と、それをアーサーが言っているという事実に、唯斗はもう顔から湯気が出ているのではないかと思う。同時に、それほどまでにアーサーが興奮しているのだと分かって安心しつつ、そんな劣情を思い切りぶつけられたらどうなってしまうのだろう、と思ったらずくりと下半身に熱が溜まるような気がした。
「……あぁ、いけないな唯斗。そんな期待するような目をしては、本当に箍が外れてしまう。結構、君はMっ気があるのかな?そんなところも可愛いけれど」
「な…っ、そんな、」
そんなことはない、と言おうとしたが、このまま清廉なアーサーに男の欲をさらけ出した状態で組み伏せられたら、というところまで考えてしまい、それにドキドキしている自分に気づいてしまった。
「…え、おれ、マジでMなのか……?」
「追々試していこうね。今は君を大事にさせてくれ、だから煽らないように。ただ僕のことを感じて考えていて?」
「あ、うん、わかった」
アーサーはそう言って苦笑すると、唯斗の腰に手を伸ばす。
「さて、じゃあ脱がせるよ。全部、見せてね」
「っ、真っ暗にしないか…?」
「乱暴にされたくなければおとなしく見せなさい。あぁ…それも悪くないような目をしているけれど、だめだ。今日は優しくするからね」
アーサーはまるで自分に言い聞かせるように最後の一言を呟くと、唯斗のちょっとした要望は聞かずに唯斗の下着を脱がせた。これで唯斗は一糸まとわぬ姿になっている。
読書灯の僅かな明かりでかなり暗くはなっているが、それでも見えている以上は恥ずかしい。