唯一と一番−18
即売会を終えた夜。
明日は一日フリーとなり、唯斗とロビンはみんなで祝勝会の夕食を終えてから部屋に戻ってきた。
シャワーも済ませ、あとは寝るだけ、となる。ここのところ、ずっと気を張っていた夜の時間も、今は静かなひとときとなっている。
ロビンにドライヤーで髪を乾かしてもらってから、礼装も脱いでバスローブ姿になってベッドでゴロゴロとしていると、ロビンは唯斗のベッドに上がってきた。
「ロビン?」
「さて。これで特異点修復工程は完了、明日は完全フリー。最後のルルハワの夜だな、唯斗」
「そうだな」
「つーことは、やることは、一つだろ?」
そう言うと、ロビンは唯斗の体に跨がってマウントポジションになった。妖しい笑みを浮かべ、部屋のメイン照明を落として読書灯だけにする。一気に薄暗くなった部屋で、唯斗は体感としては久しぶりに感じる緊張感を覚えた。
「あ、えと…」
「嫌ならやめておくが。どうしたいんです?」
「……嫌じゃ、ない」
唯斗は姿勢を仰向けに変えて、両腕をついて唯斗を見下ろすロビンのパーカーの内側に手を差し込んだ。
引き締まった体に手を沿わせ背中に回すと、ロビンは心得たように唯斗を抱き締める。
「はちゃめちゃに甘やかしてやるから、あんたも甘えてくださいね」
「…、気持ち悪かったら言えよ」
「そんなん思うわけねえっしょ。ま、急に自信をもてたら誰も苦労しねぇしな、今晩でたっぷり分からせてやるさ」
「え、何を」
「俺がどれだけお前を愛してるか。もしも気持ち悪かったら、なんて馬鹿げた杞憂を思う余地なんてねえくらいにな」
そう言って、ロビンは噛みつくようにキスをしてきた。
急に唇を割り開かれ、舌が唯斗の咥内に入り込んでくる。
「んっ、」
思わず声が漏れる。それでもロビンは唯斗の舌を絡め取り、ジュッと音を立てて吸い込む。舌が引っ張られる甘い感覚が下腹部に響き、ぞくりとして縋るようにロビンの背中に這わせた手を握る。
唇が離れると、そのまますぐにロビンは体をずらし、唯斗の胸元に至る。バスローブの防御力皆無な襟を開くと、晒された唯斗の肌に吸い付いた。
「ぅっ、あっ、」
「ここ好きだよな」
乳首の先端を舌で舐められ、背筋が震える。恥ずかしくて何も言えないでいると、ロビンは両方を指でこねくりながら、唯斗の耳元に口を寄せる。
「ほら、正直に言ってみ?大丈夫、くそ可愛いですよ」
「っ…、そこ、気持ち、いい…」
「よく言えました」
低くそう笑うと、耳梁を舐め上げられ、首筋にぞわぞわとしたものが駆け上がる。
ロビンは再び胸元に戻ると、その先を口に含み、乳首に軽く歯を立てる。
「あッ、ひっ、んぅっ、」
さらにそのまま下半身までバスローブの前を寛げながら手を割り入れていき、唯斗の自身に触れた。すでに立ち上がっているそれを柔く扱かれ、ロビンの一挙手一投足にびくりと体が震える。
もどかしさで腰が揺れて、唯斗は情けない声を出してしまう。
「ロ、ビン、」
「んー?」
「はやく、ほし…!いれて、いれたまま、ぎゅってして」
「…っ、なに、突っ込まれたまま抱き締められるの好きなんです?」
「ん、いちばん、近いところにいるって、実感できるから…だから、はやく、きて…!」
「あークソ、マジでかわいいな。そんなん言われて我慢なんざできねえっつの。頭も撫でてキスしてやるからな」
必死に頷くと、ロビンは火照った顔で熱い息を吐き、ベッドサイドからローションを取り出す。
後ろを解し始めたが、ルルハワに来る前、カルデアで比較先最近抱かれたばかりだったこともあり、わりとすぐに受け入れる準備が整っていく。ループは3ヶ月分に及ぶが、体の経年は7日間だけなのだ。
かなりロビンも興奮した面持ちだが、後ろがきちんと解れているか注意深く確かめてくれている。絶対に怪我をさせないようにというロビンの強い意志だ。
そのロビンがOKと判断したのか、ロビンも霊衣を消すと、その怒張を唯斗の後ろに宛がった。
「いれるぞ」
「ん、」
ぐっと割り込まれるロビンの熱は、むず痒いような感覚こそあれ痛みはなく、中にゆっくりと侵入してくる。その形が分かるほど思わず締め付けてしまうと、ロビンは表情を軽く歪めた。
「は、もうちょい待てます?いい子だから」
「が、んばる」
「その調子だ。もう少し、だからなっ!」
そうして奥まで入ってきたことで、ロビンの肌が臀部に触れる。すべて入ったのだ。そのままロビンは上体を倒すと、左手を唯斗の背中に、右手を後頭部に回して抱き締める。それによってさらに深いところに入ってきた。
「ぁ…ッ、ふっ、ん、」
「かわいい、かわいいな、唯斗」
熱に浮かされたようにロビンは唯斗の名前を呼ぶと、口づける。再びロビンの熱い舌が入ってくるのと同時に、ロビンは腰を動かし、抽挿が始まる。
奥に響く衝撃が脊髄を揺らし、その快感が脳天まで突き上がる。
「あッ、んっ、ぅあっ!はッ、」
「はっ、くッ、」
つい、唯斗もロビンの背中に両腕を回して、さらに両足もロビンの腰に巻き付けるように挟む。ロビンは唯斗に何度も口づけながら、唯斗の背中を掻き抱き、後頭部を掴むように撫でる。
肌がたくさんの場所で触れ合い、何度も腰を打ち付けられる感覚とロビンのものが良いところを擦り上げる快感が頭を揺らした。
「んッ、は、あぁっ、ロビン、んっ!」
「唯斗、唯斗…っ!愛してる、かわいい、唯斗」
「お、れも…ッ、ぁっ、ロビン、好き、ロビン…っ!」
かつてないほどの強い快感に視界が揺れる。きっと、今まで無意識にお互いが持っていた壁がすべて取り払われたかだろう。肌を重ねるのは初めてではないのに、まるで初めてのように感じられた。
「イ、く……ッ!」
「〜〜〜っ!!」
そうして、二人はほぼ同時に果てる。ロビンも魔力が液体となって唯斗の中に放たれ、ロビンの腹筋に押された唯斗の先端からも白濁が飛び散る。
荒い呼吸が寝室に響き、ロビンはぎゅっと唯斗を抱き締めた。
「…は、生前含めても、人生で一番気持ちいいセックスだったっすわ、今の」
「俺にとっては、一番も二番も三番も、全部ロビンなんだけど」
「おう。全部の俺のレコードにするんだ、責任は取らないとですねえ」
「…ん、わかってんならいい」
「かわいいな」
額にキスを落とすロビン。急に眠気が首をもたげてくる。なんだかんだ、最後の同人誌はやはり大変だった。
時計を見ると、いつの間にか21時35分を指していた。
「寝てていいですよ。明日はデートしましょう」
「ん…楽しみに、してる……」
それだけかろうじて言うと、唯斗は目を閉じる。ロビンの腕の中で眠りに身を任せると、すぐに意識が遠のいた。何度もキスが落ちてきたことだけは、なんとか覚えていられるだろう。