Dom/Subシリーズ−騎士王の激情7
両腕を拘束したあと、さらに鎖をベッドヘッドのポールに括り付ける。プレイ用に、多くのベッドはこのようなポールがついていることが一般的だ。
これにより、唯斗の両腕が万歳をするように頭の上に固定され、ベッドから動けなくなる。身動きができないというだけで、じわじわと被虐欲求が解消されていく。
その状態で、アーサーは唯斗の礼装を脱がせていく。礼装を脱がせてから拘束した方が良かったのではと思うが、どちらにしても脱がせた礼装を綺麗にするのもアーサーがやりたいのだろうし、そこはもうどうでもいいのだろう。
礼装の前が開けられ、下着もたくし上げられる。
「ずっとイかせてもらえないのと、何度もイかせ続けられるの、どっちがいい?」
「っ、えと…」
「だめだよ、『言うんだ』」
たまに恥ずかしいことを答えさせられるのだが、唯斗はいつも最初は言えない。どちらにしてもコマンドで言わされるし、そのやり取りは迂遠なようで、実際は互いに欲求の解消につながる合理性があった。
今回もコマンドで言うように命令されてしまったため、抵抗できずに口を開く。
「スペースに入った状態で、何度もイかせられたい…」
「ちゃんと言えたね、えらいよ」
アーサーはそう言って、体を倒して唯斗を抱き締める。そのまま唯斗の耳元に口を寄せて、甘く囁いた。
「ご褒美として、Subスペースの中でたくさんイかせてあげよう」
「っ、」
直接鼓膜に響くアーサーの端麗な声でそう言われ、それだけで危うく達しかけた。息を飲んでぎゅっと足を閉じたため、アーサーもそれに気づく。
唯斗の様子からギリギリで耐えたことも察しているようで、小さく微笑んでから、頭を撫でる。
「いい子だね、ちゃんと我慢できたじゃないか。声だけで達しそうになるくらい、敏感なのも可愛いよ」
「ぜんぶ、アーサーのせいだろ…っ、」
さすがに恥ずかしくてそう言うと、アーサーは軽く目を見張ってから、唯斗のベルトを外して下を寛げ始める。
「…あまり可愛いのも考えものだな。そんな可愛いことを言ってばかりだと、他の男にも言ってしまうんじゃないかと心配になってしまう」
先ほどからずっと可愛いと言われている。いつものことだが今日は特にそうだ。
下半身は下着だけになったところで、噛みつくようにキスをされる。突如としてアーサーの舌が口腔内に押し入り、唯斗の舌を絡めとり上あごをなぞる。すっかり開発された口の中の感じるところを的確に刺激され、ずくりと下腹部に熱が溜まる。
そして口が離れると、至近距離でアーサーはすっと目を細めた。
「そんなに可愛いと、いつまでも外に出してあげられないよ?」
「ッ!」
普段より低い声でそう脅される。これは本気の言葉だ。理性での本気ではなくDom性としての本気であるため、欲求がある程度落ち着けば当然撤回して唯斗を外に出すだろうが、それでも、まぎれもないアーサーの本心である。
それを間近で真正面から浴びてしまったため、唯斗はついに、アーサーの言葉だけで達した。
下着の中に白濁を放ってしまい、ぐちゃりと汚れてしまう。それに気づかないアーサーではなく、アーサーはさらに鋭利な空気を纏う。
「うん?今ので達してしまったのか。こんなに汚して…外に出たくないのかい?可愛い君を誰にも見られないように、ずっと監禁するしかなくなってしまうな」
たしなめるように、そして見せつけるように、唯斗の汚れた下着のゴムを引っ張り汚れた中身を露にする。
恥ずかしくなるのと同時に、恥ずかしいことをされながら叱るように監禁することを示唆され、あまりに強く支配されている感覚に頭が茹る。
その強い欲求と快感に、唯斗はすべての壁を自ら破壊した。
「いい、から…」
「ん?」
「閉じ込められたままで、いいから、外出れなくていいから、アーサー、俺のぜんぶ、アーサーのにして…っ!」
「…ッ、」
自分を構成するすべてを差し出すようなその言葉に、アーサーは息を飲んでから、体を倒してもう一度耳元で囁く。
「『イけ』」
「ぁッ!!」
再びコマンドの言葉だけでイかされたその瞬間、体の支配権をアーサーに占有されたことを理解した脳が、Sub性をすべて解放する。Subスペースに入ったのだ。