Dom/Subシリーズ−獅子心王の狂気1


ぐだ子カルデア設定
カルデアを敵視するDomのリチャード×Sub主
※モブレ表現あり


多数の英霊をこの世界につなぎとめる楔となる藤丸、精鋭1騎を連れて高い機動力で調査や戦闘を行う唯斗、それが二人のマスターの役割分担だった。

その目的のもと、唯斗が召喚に成功したのがリチャード1世であり、グランドオーダーの旅の中でいつしか恋人にまでなってしまったサーヴァントだ。

当初、コミュ障陰キャの唯斗と明るい太陽のような好青年として現界したリチャードでは水と油に思われたが、円卓はじめ英雄オタクであったリチャードとは歴オタとして意外と馬が合った。円卓の騎士に限界化したり、アキレウスとヘクトールの口喧嘩に沸き立ったり、ジークフリートの格好良さに大横転したりと、なんだかんだ一緒にいて心地良い相手になっていた。

それは過酷な旅と、唯斗が人間として成長していく過程の中で、だんだんと信頼は愛に、縁は絆に変わった。そして、時間神殿を攻略し人理を取り戻した青空の下、ついにリチャードから想いを告げられたのだ。


そうして恋人に関係が進化したところでグランドオーダーを終え、現在は魔神柱の残党狩りを進めているところである。
デミ・サーヴァントとしての力を失ったマシュに代わり、もっぱらレイシフト先での藤丸の保護は唯斗の、戦闘はリチャードとサーヴァントを帯同できるときは藤丸のサーヴァントの仕事となっている。

そんな状況でも歴史の揺らぎは大なり小なり生じるもので、小規模な特異点のレイシフトをいつも通り行うことになった。

管制室に、唯斗と藤丸、リチャードが集まり、ダ・ヴィンチがやってくる。


「集まってくれてありがとう。今回のレイシフトは簡単なものだ。時代は19世紀初頭のベルギー南部、当時はフランス領でナポレオン第一帝政下の混乱期にあたる」


比較的時代が近い。サンソンがギリギリ存命かどうかというくらいの時期であり、戦乱が相次ぐ混乱の時代だ。
革命期にフランスに占領されたままとなっているベルギーが今回のレイシフト先である。


「ベルギー南部というと、エノーやブラバント、フランドルといったあたりだろうか。ジョンの孫の時代にフランス王権に組み込まれた土地だな!」


土地を聞いてリチャードは興味深そうに地図を眺める。もとからフランス王国の土地だったが、フランク王国分裂時には中部フランク王国に属していたため、フランス王権からはかなり独立した地域だった。そのためしばしばイングランドと結び、1297年にフランス王フィリップ4世がフランドル伯領の直轄化を行おうとした際には、フランドル伯はジョン王の孫にあたるイングランド王エドワード1世と結託して抵抗している。

唯斗は頷いて簡単に確認しておく。藤丸にも知っておいてもらうべきことだからだ。


「そうだな。そんで、百年戦争…ほぼほぼお前のせいで始まった百年戦争期間中に、フランドル伯を含むネーデルラント地域はブルゴーニュ家との同君連合状態になっていった。最終的にブルゴーニュ公国として一つになり、イングランドと結んでフランスを追い詰めるけど、結果は敗北。ブルゴーニュ本土を王室に奪われたブルゴーニュ公はネーデルラントだけを支配するようになり、やがて最後のブルゴーニュ公である女公マリーがハプスブルク家のマクシミリアンと結婚、これによってネーデルラントはハプスブルク家のものとなり、オーストリアやスペインの間を行ったり来たりしたあと、オーストリア領時代にフランス革命軍によって占領される」


ちなみに、百年戦争でイングランドと結んだブルゴーニュ公によってジャンヌダルクは捕らえられ処刑されている。
藤丸は感心したように「はぇ〜」と変な声を出す。


「相変わらずよくぽんぽん出てくるね。でもそっか、だからベルギーってフランス語が話されてるんだね。レイシフト先もフランス語?」

「あぁ。ま、現代フランス語よりはかなり古風で分かりづらいだろうけどな」


藤丸も相変わらず、理解が早い。ベルギーにはベルギー語なんてものはない、という過去の話をきちんと覚えていたこともあり、その記憶と突合して理由を理解したようだ。

時代柄、調査メインで激しい戦闘にはならない。トリスメギストスもそう計算していたため、電力消費を抑えるべく、レイシフトは唯斗と藤丸、リチャードだけとなる。
うまくいけば2、3日ほどで帰ってこられる、そう思っていた。



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