伝承地底世界アガルタII−12


ダ・ヴィンチの言うとおり、今は情報が少ないため、先入観を持ってしまうと危険だ。

とにもかくにも、このままエルドラドを落として会敵すれば分かる話だと足を進める一同だったが、意外にもアマゾネスたちとの戦闘はさほど多くなく、順調に森の奥まで進むことができていた。

ライダーは順調な行軍に勇むレジスタンスたちを見て、ホッとしたようにする。


「これが初陣のやつも多いからよ、出発んときは緊張してて大丈夫かと思ったが…これなら問題はなさそうだ」

「うんうん、予想外にスムーズに進んでるね!敵のジャングルっていうから、てっきり…」


ライダーの言葉に頷くアストルフォ。それを見ていたシェヘラザードはハッと目を見開いた。


「スムーズに…進みすぎています!いけません、これは、もしかしたら…っ!」

「鼠が網にかかったか。愚か者で滑稽だな」


突然、そんな声とともに道の前後をアマゾネスたちに塞がれた。いきなり現れた大量の兵士たちに、道を完全に閉ざされる。
驚く全員の正面に現れたのは、エルドラドのバーサーカー。


「貴様がレジスタンスに下ったのは分かっていた、不夜城のキャスター。私はバーサーカーである前に、女王である前に、戦士であり将である。軍師が戦場で示すであろう策の一つや二つ、そしてそれを邀撃する策の一つや二つ、発意して当然!」


どうやらこちらの動きは読まれていたらしい。アマゾネスの部隊は数が多く、一瞬で取り囲めるよう、移動が容易なルートがあるこの場所で待ち伏せていたようだ。
恐怖に震えるシェヘラザードを見れば、これが彼女の罠ではないことが明らかである。

ただ、そうは言っても相手はサーヴァント1騎、こちらはサーヴァントだけで7騎もいる。突破するのは難しくないはずだ。

バーサーカーはアーサーとデオンが相手取り、他のサーヴァントとレジスタンスたちでアマゾネスと戦闘を開始する。
膂力の強いバーサーカーであっても、敏捷性に秀でたデオンと天下の騎士王を相手にかなり苦戦しているようで、アマゾネスたちもどんどん数が減っていく。

ここで倒しきれるかもしれない、そんな雰囲気になった直後だった。


突然、バーサーカーはとてつもない雄叫びを上げた。その声に呼応するように、アマゾネスたちも雄叫びを上げていく。そのとんでもない声量に驚いている暇もなく、突如として力を増したアマゾネスたちによって、次々とレジスタンスたちが殺され始めた。

バーサーカーもデオンを吹き飛ばし、アーサーと互角にやり合っている。ギルガメッシュの魔杖による光線やアーラシュの矢を受けても一撃では死なない。
すべての敵性体の力が増していた。

あっという間にこちらの陣形は崩れ、押されていく。せめてもっと広い場所であれば、アーサーのエクスカリバーを解放することもできたが、この状況ではそれも難しい。
あまりに混戦してしまっているのだ。


「立香、これ以上はレジスタンスの人たちが保たない」

「うん、撤退しよう。マシュ!」

『はい、8時の方向の包囲が薄いです、突破してください!』

「俺が結界で守りながらレジスタンスたちを先に逃がす、立香は退路の掃討頼む」


頷いた立香は、アストルフォとフェルグスに退路の確保を指示し、唯斗は男たちを守りながら走り出す。ライダーも敵を撥ね除けながら男たちの先を走った。
アーサーとデオンはバーサーカーたちを食い止め、アーラシュとギルガメッシュでこちらに迫る敵を倒していく。


そうして敵陣から抜けたときには、部隊の半分がいなくなっていた。


135/314
prev next
back
表紙へ戻る