ぐだぐだファイナル本能寺−1


アガルタの修復を完了したカルデアは、再び調査期間に入った。スタッフたちは残る魔神柱1体の捜索に向けて調査を進めているが、マスター二人は訓練しかやることがない。

とはいえ、立香も唯斗も、訓練以外にも学生としての勉強も行っていた。
なぜなら、本来であれば立香は高校3年生、唯斗は高校2年生になっていたはずだからである。失われた1年間はなかったことになっているため、それぞれカルデアに来る前の学年を維持しているが、まだしばらくカルデアにいる以上、外に戻ったときのために勉強は必要だ。
特に立香は大学受験を視野に入れる必要があるタイミングのため、孔明にみっちりと授業を受けている。

そんな中、立香は6月の一ヶ月で二度、大きな出来事を経験している。
まず一つが、突然立香の英霊たちがボードゲームに熱中した末に消失するという事件の解決のため、謎の小特異点を探索した一件である。未来の秋葉原という異質な空間で、しかもそこで結んだ縁によって、カルデアには新たに二人のサーヴァントが現れた。
宇津見エリセという少女と、ボイジャーという少年である。エリセはランサーで、元は人間としてボイジャーのマスターだったという。

唯斗が驚いたのは、ボイジャーというサーヴァントだ。エリセは準サーヴァントという神霊と同化した存在であり、クラスもランサーであるため、イシュタルなどと似たような存在だ。しかしボイジャーは、あの宇宙探査機ボイジャーが英霊と化したものであり、まさか無機物が英霊になるとは、という純粋な驚きがあった。
さらにボイジャーのクラスはフォーリナーという、またも新しいクラスであり、このフォーリナーというクラスはダ・ヴィンチ曰く「地球の情報である英霊に外宇宙(foreign)の存在が合わさったクラス」とのことだった。
正直意味が分からなかったが、とにかくボイジャーは、宇宙探査機ボイジャーを核に、地球全体で知られる物語である「星の王子さま」を型として生まれた英霊だそうだ。

そして、ボイジャーという存在が一種の縁となったのかはよく分からないが、もう一人、フォーリナークラスのサーヴァントがカルデアに乗り込んできた。
葛飾北斎、江戸時代の浮世絵師であり、娘・応為が本体となって二人でひとつとして召喚された形である。

突然、カルデアに三人も従来とは異なるタイプのサーヴァントがやってきたことは、ただでさえ忙しいスタッフたちをさらに忙しくさせたが、一方で彼らの存在が魔神柱探しのヒントにもなっているようで、調査は引き続きつつがなく進んでいる。

そんな三人を招いてから半月、今度はいつものよく分からないメンツである織田信長あたりのサーヴァントたちに巻き込まれ、立香が大正時代の帝都・東京にレイシフトを行った。
ダ・ヴィンチは「しょうもないから君の出る幕ではないよ」と唯斗には気にしないよう言っていたが、なんだかんだ大変な事態だったらしく、帝都全体をひとつの魔術式とする蠱毒のような聖杯戦争が行われていたそうだ。

そしてこの探索の結果、カルデアには新たに沖田総司のオルタ、坂本龍馬、岡田以蔵、織田信勝が加わった。

6月末頃、帝都から帰還した立香にこの報告を受けた唯斗は、「意味が分からない」としか言えなかったし、立香も「俺もよくわかんない」と微妙な顔をしていた。
とはいえ、唯斗はあの坂本龍馬がやってきたということで、その一点だけはワクワクとしてしまった。


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