サーヴァント・サマー・フェスティバルII−22
そろそろのぼせてしまうため、アーサーは真面目な声音になって、唯斗を壁から離しつつ体を自分に凭れさせた。
なんとかアーサーにしがみつくように抱きついて立っているが、全身に渦巻く快感の波に、唯斗は呼吸も整わない。
それに気づかず、アーサーはボディソープを手に取ると、唯斗の肩から背中にかけて洗い始めた。
その手の感触は、電流のように体を駆け巡る。
「あっ、ぅんっ、!」
「…、そ、そんなに感じてしまうのかい?すまない、」
「ま、って、これ、マジで、やば…!」
ビクビクとする唯斗に、ようやくアーサーは理解したらしい。
「…あぁ、そうか。二度も中出ししたから、魔力が飽和状態になって敏感になっているんだね。だけど仕方ない、何回かイってしまうかもしれないけれど、僕はさすがに今回はしっかり洗うから頑張ってくれ」
「え、そんな、自分でや、る、」
自分でやればマシだろうと、唯斗はアーサーに手伝ってもらうことを固辞する。
だが立っていることはできず、アメリカ仕様のここでは座ったままでは終わらないため、アーサーは掴まり棒として残ってもらうことにした。
「自分でやるから、支えててくれ」
「…了解した」
唯斗は自分でボディソープを手に取ると、体を洗い始める。泡立てた手が体を滑る度に、自分のもののはずなのに快感を拾っていく。
「ん、ふ、…、くっ、はっ、」
自分でやって自分で感じている、というのはさすがに恥ずかしいため、必死に声を抑えようとするが、口からは自然と声や吐息が漏れてしまう。
「…、これは…生殺しだな……」
そう言うアーサーのものにちらりと目をやると、しっかりと立ち上がっている。どうやら唯斗の痴態を見てこうなっているようだ。
「…、出禁だからな、おまえ」
唯斗は、アーサーの自身にそう言って軽く揺さぶった。途端に完勃ちしたのを見て、さすがにちょっと呆れる。
「……アーサー………」
「う、すまない…しかし今のは反則だろう……出禁食らっていても絶対にぶち破るからね」
「あとでな」
適当に返した唯斗は、今のが言質となったことにはたと気づく。
「言ったね?」という顔のアーサーに、唯斗は早くシャワーを済ませて早く寝てしまおうと企んだ。アーサーといえど、無理矢理寝ているところを抱くようなことはしない。
そう思っていたが、なんとかシャワーを終えて寝室に戻るなりすぐに、アーサーにベッドに押し倒された。
「ちょ、待て、さすがに3回目は…!」
「…仕方ない。では明日にお預けだ」
「え、」
アーサーは意外にも早くに折れた。そうだ、まだ今日は7日目。退去は明後日で、明日は一日フリーな日だ。
「もちろん、君がどこか行きたいなら我慢するけれど」
ベッドに横たわりながら、アーサーは自然な仕草で唯斗を抱き込み、腕枕の状態にしてくる。
アーサーの腕の中、目の前に逞しい胸板がある状態で眠るのは、ひどく安心する。第二特異点でこうしてもらってからずっとそうだった。
何もない日、こんなホテルで誰の干渉も受けない一日。それならば、唯斗はこの3ヶ月間の最後を、もっとゆっくり使おうと思った。
「…や、俺はアーサーと一日ずっと一緒にいたい。二人きりで過ごしたい」
「分かった。じゃあ明日は、誰にも会わず、二人だけでこの部屋に閉じこもろう。食事は僕が運んでくるから、君は誰とも会ってはいけないよ。とてつもない色香で襲われてしまう」
「…それ、一日中抱き潰す気なんじゃ……」
「……さ、寝ようか」
あからさまにアーサーは誤魔化して、照明を落とす。結局夕食は食いっぱぐれてしまったが、もはや空腹などなかった。アーサーも今回は食事を抜くのを許容してくれた。
大量に魔力を注がれているため、これくらいなら問題ないというのもあった。
暗くなった部屋の中、アーサーの温もりに包まれながら、唯斗は目を閉じる。一日中、なんてことになるのも悪くないかもしれないと思うあたり、自分も大概だ。