砂糖は不要−22
そうして、アーサーに攻められながら後ろを解され、唯斗もアーサーのものに触れて高めあっていくこと30分、初めてでもないため、唯斗は十分に受け入れる準備が整った。
それを理解したアーサーも、自身を唯斗の後ろにあてがう。
すでに霊衣を消したアーサーの逞しい体が、読書灯に照らされて唯斗を見下ろす。
そして、ゆっくりと唯斗の中に割り入って来た。
さすがにこれはいまだに慣れない。苦しさの方が勝るため、アーサーはそれをなるべく発散させて下半身が脱力できるようにと、体を倒して唯斗を抱きしめる。
自分の背中に唯斗の手を誘導してしがみつかせ、中への侵入を進めていく。
ガウェインなどに比べれば童顔のアーサーだが、その体は厚く逞しい。盛り上がった二の腕の筋肉も、翼が生えそうな肩甲骨も、唯斗を守ってくれるものであり、そして今は唯斗を暴こうとしている。その倒錯的な事実にくらくらした。
やがて、肉を割り開いて入ってくる感覚は奥まで達して、アーサーのものがすべて唯斗の中に納まったのだと理解する。
アーサーはそこでひとつ息をついて、慣らすように一度だけ揺らした。
しかしその瞬間、奥から背骨を伝うように電流が走った。
「ッあ、!?」
「唯斗?大丈夫?」
痛かったのかと心配そうにするアーサーだが、唯斗は目がちかちかとする中で呆然とする。息が止まるかと思った。
だんだんと、アーサーを包む縁の部分も、むず痒いような気持ちよさが神経を伝ってきて、呼吸が浅くなる。
「痛かった?」
「いた、くはない、けど…これ、やばい、このまま動かれたら、やばいやつ」
動揺して拙い言葉になった唯斗に目を瞬かせたアーサーは、なぜかもう一度腰を揺らした。
どす、と再び強い衝撃が体の奥に響き、入り口の縁の部分が震える。
「んぁっ!あー、さー、まって、これ、」
「開発してきた成果が出たね。偉いね、唯斗」
「へ…」
「僕のものを受け入れて、それをダイレクトに快感に変換できるようになったんだ。とっても偉いよ、唯斗」
「お、れが、偉いのか、それ…?」
「うん、とてもエロ…偉いよ」
「……アーサー?」
今何か、と指摘しようとしたところに、アーサーは誤魔化すようにまた腰を打ち付けた。今度は少し引き抜かれてから押し込まれ、もっと大きな波が押し寄せた。
「ぁ、あッ!」
「すごい締め付けだ…っ、後ろだけでイこうね、唯斗」
「な、に言って、んっ、!」
だんだんとアーサーは連続して腰を引いては押し付けるという動きを繰り返し始め、その度に楔が中へと打ち込まれる。
次第に引き抜かれる幅が広がることで、中に押し込まれる衝撃も比例して強くなっていく。
背骨を駆け上がる快楽の波に思わずアーサーのものを締め付けると、奥が圧迫されてそれも快感に変わる。それを強引に割り開くようにアーサーは腰の抽迭を繰り返し、最奥を突かれる度に衝撃が唯斗の自身へと伝播した。
「ぅあっ!んッ!ぁっ、あッ!」
「かわいい、愛してるよ、唯斗」
どろりとした声で、アーサーは唯斗の耳元に直接そんな言葉を吹き込んでくる。耳梁を舐められ、水音が鼓膜に響く。
「ひっ、ん!あーさー、おれも、っあ!ん、あいしてる、っ!」
「嬉しいよ、唯斗。気持ちいいかい?気持ち、よかったら、そう言って?」
アーサーも息を乱しながら腰を振り、それに揺らされながら、浮かされた脳はアーサーに言われるがままとなる。
「きもちいい、ッん、!ぅっ、あッ、きもちいい、からっ!」
自分でそう言葉にすると、それが改めて自覚されるようで、もっと脳が溶けていくような心地がする。その分、押し寄せる快感が体も意識も満たしていき、揺さぶられる奥と疼く自身に熱が急激に溜まっていく。
「っく、さぁ、ぼくに掴まって、気持ちいいことだけ、かんがえて」
「アー、サーっ!あっ、や、ば、!んッ、」
唯斗はアーサーの背中に手をまわし、しがみついて暴れ狂うような快感の渦を必死に受け止める。
やがてそれは、頭をチカチカとさせて、何も考えられなくする。
「く………ッ!!」
「〜〜〜っ!」
そしてついに、唯斗は自身に触れられないまま達した。頭が真っ白になり、目を閉じた視界が眩む。アーサーも唯斗の中で果てて、その放ったものが最奥を満たす。
あまりの衝撃に、目を開けても視界があまり戻らず、体の力がどっと抜けた。酸欠気味になったからか、手の先端が少し痺れて、アーサーの背中に添えるだけになる。
腹筋に飛び散った自分の白濁が脇腹をこぼれる感覚がした直後、アーサーのものがゆっくりと唯斗の中から引き抜かれた。
「…アーサー……」
それに寂しさのようなものを感じてしまい、思わず唯斗はアーサーの名前をなんとはなしに呼んだ。
アーサーは唯斗の頭を撫でる。
「後ろだけでイけたね」
「…体、作り替えられてるみてぇ……」
「似たようなものだよ。もっといろいろ勉強していこうね」
「…ん、もっとアーサーのにして」
「こら、自制が効かなくなるから煽らない」
耐えるように言うアーサーをよそに、唯斗はアーサーの腕に頭をのせて二の腕にすり寄る。
「今年も、グラタン作って」
「…もちろん」
「ん。じゃ、シャワーしてぇから連れてって」
「…仰せのままに。まったく、僕より君の方がよっぽどずるいだろう」
そう言いつつ唯斗を抱き上げてシャワールームへと向かうアーサーは、言葉のわりにひどく甘い響きが滲んでいた。