閻魔亭繁盛記−18
アーサーに連れられて、二人が宿泊している部屋に戻った。すっかり夜も遅い時間になろうとしている。
広い部屋は雀たちが整えてくれていたようで、すでに布団が敷かれていた。
しかしアーサーは、防具を消して座椅子に胡坐をかいて座ると、その足の上を示した。
「はい、ここ」
「…え、」
「あぁ、こちらを向いてね」
にっこりとして言われ、唯斗は有無を言わさぬそれに素直に従った。アーサーの長い足が組まれたところに尻だけを落とし、自分の足はアーサーの体の横に投げ出す。
正面から向かい合う距離はひどく近く、また、この姿勢のせいか目線の高さも近い。
本来なら、足を痛めないか心配するところだが、サーヴァント相手であればそれも不要だろう。
アーサーは唯斗の背中に腕を回すと、そのまま抱き締めた。普段より目線が近いため、アーサーの顔がすぐ横にある。
「アーサー…?」
「…すまない、君が英霊たちに迫られてたじろいでしまうのは、単に経験値がないだけだと思っていた。だから、そのうち慣れれば自分であしらえるようになるだろうと…それで、君に任せていたんだ」
「…、悪い、俺もアーラシュに言われて初めて気づいた。ていうか、俺だって、自分が英雄に比べたら人間一年生過ぎるだけだって思ってた」
「僕よりもアーチャーの方が理解していた、ということが悔しい。ある程度、僕が自分で牽制をかけるべきだった」
どうやら、アーサーはアーラシュに言われたことを気にしているらしい。唯斗としては、そういうものか、と気づいただけだったが、アーサーはそうではないようだ。
「…君は、否定されたことしかなかった、そういう生き方しかさせてもらえなかった。だから、君が他者を拒絶することなんて、できないに決まっている。それも、相手が尊敬する英霊ともなればなおさらだし、彼らもある程度それに付け込んで来る。僕は今までそれを理解していなかったから、ちょくちょく君がちょっかいを出されてしまったんだね」
「……でも、言い訳にならないだろ。今日なんて、エミヤや長可、アーラシュにちょっかい出されて、いろいろ触られたりしたし、そういうの、やっぱりちゃんと拒否しなかった俺に非がある」
「…………いろいろ言いたいことはあるけれど」
アーサーはぴしりと固まってから、たっぷりと間を空ける。
「非があるというのなら、それは君のそういうところに付け入ったサーヴァントたちの方だ。それについては僕の方できっちり落とし前をつけさせてもらうとしよう。それで、だ」
「…え、」
「具体的に何をされたのか、言えるね?」
うっかり、馬鹿正直に先ほどまでの出来事を言ってしまった。体を離してこちらを見つめる翡翠に、唯斗は慌てる。
「…や、別に、そんな大したことじゃ、」
「じゃあ僕があててあげよう。どうせここだろう?」
その言葉とともに、アーサーはまだ寛げられたままの前襟から手を差し込み、唯斗の乳首を両側とも指先で摘まんだ。
突然の刺激にびくっと震えてしまう。
「ぅあっ、な、にして、」
「今日、サーヴァントたちが理性をやや低下させて君に迫ったのは、君のその服装がひどく性的に見えたからだろう。普段は礼装できっちりと隠されているところが、すぐその布を引ん剝けば見えるわけだからね」
「意味、わかん、ねぇ…っ、んっ、」
こねくり回しながら丁寧に説明したアーサーだが、そもそもそんなことは聞いていない。
エミヤ、長可、アーラシュと3人連続で弄られたそこは、すっかり感度を高めてしまっており、唯斗はあっという間に昂ぶりを隠せなくなる。
アーサーの腕を掴んで耐えていると、アーサーはぐっと唯斗の腰を持ち上げる。
膝立ちになれということのようで、唯斗は促されるがまま、膝立ちになる。アーサーの顔は唯斗の胸元あたりになったわけだが、晒された肌に、アーサーの吐息があたる。
「…僕が開発したここを、いいように弄んだわけだね。まるで、丁寧に育てた果実を横取りされたかのようだ」
そんな牧歌的な話ではないはずだが、アーサーは独り言だったようで、唯斗の返答を聞くこともしないまま、胸先に吸い付いた。
音を立てて乳首を吸われ、ぬめりを帯びた舌が這う。
「あッ、待っ、んんッ、」
さらに強い刺激が走ったことで、膝立ちをしている足が震える。力が入らなくなりそうで、ついアーサーの肩に手を置いて体を支えた。