閻魔亭繁盛記−19


「唯斗、」


するとアーサーは、唯斗の耳元に顔を寄せる。低く興奮に濡れた男の声だ。


「服を汚してしまうから、イってはだめだよ」

「っ、?!」


まるで相手の動きを制限する呪詛のようなものだ。ただ、呪詛というにはあまりに甘すぎる。
頭が痺れるような気がして、このアーサーの言葉には逆らえない、と本能で理解する。

その状態で、再びアーサーは乳首を口に含むと、今度は歯を立てた。甘噛みされた鋭い刺激が背骨を迸り、エミヤ以来散々焦らされてきた唯斗は、危うく達しかけた。なんとか堪えるが、呼吸が荒くなり、ぎゅっとアーサーの肩を強くつかむ。


「ちゃんと我慢できたね、いい子だ」

「あー、さー…」

「いい子にはご褒美をあげよう。何がいい?」


すとん、と唯斗は腰を下ろし、視線を合わせる。そして、その形の良い唇からご褒美、という言葉を聞いて、何も考えず答えを口にする。


「…キス、がいい」

「ふふ、分かったよ」


アーサーは微笑むと、優しく唯斗に口づけた。後頭部に手が回り、押さえつけられるようにして、唇を割って中に舌がねじ込まれる。やや強引なそれにも快感を拾ってしまい、鼻から抜けるような声が漏れた。


「ふっ、ん…っ、」

「…、かわいいね、唯斗」


口が離れ、ぺろりと唯斗の唇を舐められる。唯斗はそのままアーサーに凭れて、肩に顔を埋めるようにして抱き着いた。
アーサーも応じて唯斗を抱き締めるために背中に腕を回す。

ただ、それ以上何かをする気配はない。ここで止めておこうとする意志を言外に感じて、唯斗は疑問に思ったが、そういえばアーサーは例のローションを知らなかった。

唯斗は体を離すと、右手を出す。


「ヴィアン、」

「唯斗?」


突然魔術を使った唯斗に驚くアーサーだが、右手の上に現れたボトルを見て目を丸くする。


「…ダ・ヴィンチのお節介だ。その、明日は朝早くないんだけど……」

「…そうか。では、ありがたく使わせてもらおう。下、脱げるかい?」


かなり勇気を出した唯斗をいたわるように、額にキスを落としてからアーサーは応じた。唯斗はアーサーの言葉に従い、作務衣のズボンと下着を転移させる。


「ヴァズィ」

「…便利だね。では、上も汚さないよう脱いでしまおう」


アーサーは唯斗の上衣も脱がせて全裸にする。アーサーはきっちりと服を着ている状態なのが気恥ずかしい。
しかしアーサーは気にせず、ローションを取り出して、姿勢を変えずに唯斗の後ろへと手を伸ばした。


「腰を浮かせられるかい?」

「ん、」


再び膝立ちになるとアーサーは唯斗の窄まりにローションに濡れた指先を埋め込んでいく。すんなり侵入してくる指を感じていると、さらにアーサーは、膝立ちになって唯斗の胸元が近づいたのをいいことに、後ろを弄りながら乳首まで口で弄り始めた。
舌で舐め上げて甘噛みし、もう片方の手で反対側もこね回す。


「ッあ、ぁっ!ん、」


同時に2か所を別々に感じさせる器用さに翻弄され、唯斗は吐息交じりの喘ぎ声を漏らすしかない。
10分としないうちに、指は3本しっかりと銜え込まれていて、ようやくアーサーは胸元から口を離す。


「腰が動いてるよ。欲しいかい?」

「欲し、い、アーサー、はやく、」

「では、自分で入れてごらん?」


そう言ってアーサーは自身の霊衣をすべて消失させた。同じく一糸まとわぬ姿となると、その怒張を示す。自分で腰を下ろして入れてみろ、ということらしい。
もはや逆らうという選択肢は唯斗の中にはなく、ゆっくりと、アーサーが押さえている逸物に自分の穴をあてがう。そして、力を抜きながらゆっくりとそれを埋め込んだ。


「っ、く、んぅっ、はッ、」

「焦らずにね」


アーサーの声の方こそじれったそうに聞こえるが、それでも、迂闊な動きをしてけがをしないように配慮してくれている。そんな優しさすらも嬉しくて、唯斗は必死でアーサーのものをすべて中に入れこんだ。


「はっ、は、っ、」

「よし、じゃあ動いてみようか。ゆっくりでいいよ」

「ん…、」


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