閻魔亭繁盛記−20
唯斗はアーサーの肩に手を置いて体を支えながら、膝立ちからしゃがむ姿勢に足の位置を変えて、ゆっくりと上下運動を開始する。低い姿勢のスクワットのようだ。
中から大きなそれが抜けていくに従い、引っ張られる感覚と穴の縁が引きつる感覚の二つがじわじわと下腹部に熱を集積させていく。
一方、逆に腰を沈めて埋め込んでいくと、感じるところを強く圧迫されて、膀胱からずくりとした快感が全身に広がる。
「あ…ッ、ん、ぅっ、!はッ、」
徐々にその動きを速めていくと、アーサーは唯斗の乳首に何度目かも分からない快感を与えた。左側の胸先を甘噛みしたまま離さないため、唯斗が上下に動くと先が歯に引っ張られ、強い刺激が走る。
「んッ、あっ!ぁあっ、ひっ、んぅっ、」
ガクガクと足が震えてしまい、体重を支えられない。そのせいで、ずん、と勢いよく体を沈めてしまった。勢いよくアーサーのものが奥を突き、さらに、一気に体が動いたことでアーサーの歯の間から乳首が思い切り引っ張られて抜け出した。
その衝撃で目がチカチカとしたかと思うと、いつの間にか果てており、アーサーの腹筋に白濁が飛び散っていた。
「〜〜〜っ!っは、はッ、」
「イってしまったんだね、悪い子だ。だめだよ、と言ったのに」
「え……そ、れ、まだ、有効なのか…」
作務衣が汚れるからではなかっただろうか、と思ったのも束の間、アーサーはニヤリと王子様に似つかわしくない笑みを浮かべる。
「悪い子にはお仕置きだね?」
お仕置きと言うには甘い声音だったが、唯斗はがしりとアーサーに背中から腰にかけてを固定されたことで、嫌な予感がする。
これはまさか、と思った瞬間、アーサーはおもむろに立ち上がった。当然、唯斗の中にはアーサーのものが入ったままだ。
もっと奥深いところまで侵入され、体を支えようと力が入ってしまったことで締め付けてしまい、さらに強い快楽の波が押し寄せる。
意識ごと持っていかれそうになり、体を支えようとする本能もあって、唯斗はガリッとアーサーの背中を引っ掻いてしがみついた。
「……ッ!!あっ、はッ、ぁ、ごめ、」
「大丈夫、もっと爪を立てていていいよ」
アーサーは優しくそう言いつつも、どすんと腰を打ち付ける。揺さぶられるようにして内臓を圧迫され、その鈍い快感が脳天を揺らした。
揺すられる度に、唯斗の自身がアーサーの腹筋に擦られてしまい、達したばかりの敏感なそこはぬめりを帯びたこともあって容易に刺激されてしまう。
「ぅあっ、あッ、だめ、も、やば、あっ、んッ!」
「ふーッ、そう、だね、そろそろ、僕も…っ、くっ、」
もう思考もままならない。快感を追うことだけに必死で、唯斗はただ口から喘ぎ声を発するだけだ。
やがて、アーサーは息を詰めて、唯斗の中に吐精した。熱いものがぶちまけられ、その感覚にすら感じた唯斗は、ひときわ強くアーサーの腹に自身が擦りつけられた衝撃でもう一度果てた。
先ほど達した直後だったからだろう、ぷしゃっと音が聞こえるほどに唯斗の先端からは液体が噴き出す。
「はは、駅弁で潮噴きまでできるようになるとは、成長したね」
「はっ、はぁ、…うれ、しくねぇ…っ、」
息を切らし、あまりに強い快感で視界が薄暗く火花が散っているような状態で、なんとか返した。息も絶え絶えの唯斗の返答に笑ったアーサーは、ゆっくり自分のものを唯斗から引き抜いて、もう一度座椅子に腰を下ろす。
唯斗の体を胡坐の上に置いて抱き締めるアーサーの腕の中、唯斗はなんとか呼吸を整えながら、すっかり濡れてしまったアーサーの腹に、近くのタオルを押し当てる。畳を汚さないようにするためだ。
「疲れただろう?僕が綺麗にしておくから、寝てしまっていい。久しぶりにしんどいはずだ」
「……ん、そうする」
アーサーの言う通り、今回はさすがにしんどい。ぐったりと肩に頭を預けて目を閉じると、頭を撫でられた。その感覚を追いかけながら、唯斗はゆったりと睡魔に身を任せた。
***
その後、カルデアの奮闘によって順調に客足は増えたが、その過程で閻魔亭は膨大な借金を背負っていることが判明した。
それというのも、竹取の翁という存在がここに宿泊している際に盗難事件が発生し、その悪評が広がったことで客足は遠のき、さらには翁の示談金という形で借金を背負うことになってしまったというのだ。
ホテル側に盗難事件の責任がないことは現代では常識であるものの、やはりこうした神域ではそんな俗っぽい常識は通用しなかったらしい。
しかし、話を聞いた唯斗は、竹取の翁が盗まれたと主張したものは竹取物語に登場する5つの宝玉であるという話に、それは「存在しないものの喩え」として描かれたものである以上、そもそもそんなものを持っていないはずだと推測。
それはフィンも同じ考えだったようで、事件解決のために現場の再現に乗り出した。
最終的に、これはずっと客として居座っている「猿」という客で、これは昔話に登場する狡猾な生き物としての猿の総体のような存在らしいが、その自作自演による犯行だったと発覚。
嘘をつく者の舌を切り取る閻魔の名代である紅閻魔が猿を叩き切り、無事、閻魔亭の借金はなかったことになる。
これからは修繕した施設を使って経営を再建していくと決意を新たにした紅閻魔と別れ、晴れて一行は特異点を後にしたのだった。
なんだかんだとバタバタしてしまい、とても慰安旅行というような代物ではなかったものの、それなりに楽しんでリラックスできたように思う。
そして、いよいよ大西洋異聞帯への突入の日がやってくる。