神代巨神海洋アトランティスI−13


その晩のうちには、次の島、ヘラクレス島へと到着した。
ボーダーは迷彩で隠され、今回はいつもの現地調査員である唯斗とアーサー、立香、マシュ、そして現地サーヴァントのコルデーとマンドリカルドにネモを加えたメンバーで上陸。
そうしてコルデーの案内で連れられた集落近くの酒場に入ると、そこには驚きの出会いがあった。


「あっ」

「イアソンさん、良い知らせと悪い知らせがあります!悪い知らせは薬草採取を忘れたこと、良い知らせは仲間が増えたことです!ドレイクさん、おつまみ一つ作っていいですか?」

「おっ、今日は千客万来だねぇ」


なんと、そこにいたのはイアソンとフランシス・ドレイクだった。汎人類史側のサーヴァントがこの島にもいたらしい。
ドレイクはこちらの記憶を持っていなかったが、イアソンはばっちり記憶、それも第三特異点の記憶を有している。そのイアソンから、アトランティスにおける汎人類史サーヴァントたちについて教えてもらった。

アトランティスに召喚された汎人類史のサーヴァントのうち、半分がここで倒れ、半分がオリュンポスに辿り着いたらしい。イアソンもその中の一人だったようだが、途中で脱落したとのことだ。
曰く、ヘラクレスも召喚されていたものの、アルテミスの矢を二発受け止めたことで十二の試練をすべて使い果たし消失してしまったのだという。
イアソンはヘラクレスが倒されたことで戦意喪失し、この島で飲んだくれとなっている。

一方、ドレイクは海での戦いの折にポセイドンから呪いを受けてしまい、海に出られなくなってしまった。霊基そのものもガタガタであり、とても戦える状態ではないため、ここで酒場をやっているそうだ。

少しでも戦力は多い方がいいとイアソンを勧誘しようとしたカルデアだったが、残念ながらイアソンは全力で拒否。しかし、ドレイクはカルデアに対して神殿に向かい、そこに駐屯している防衛兵を倒して来いと勧めた。もともと予定通りだったこともあり、一同は翌朝に神殿へと向かう。

そこで一通り兵士たちを倒してから、立香は今更唯斗に聞いてきた。


「それにしても、ドレイクはなんで兵士を倒してこいって言ったんだろ?神殿に用事があったから、言われなくてもってところではあったけどさ」

「まぁ、普通に考えれば、この防衛兵もオデュッセウスの指揮下にあるはずだからな、倒せば必ずオデュッセウスに勘付かれるはずだ。もともと俺たちも、この神殿でテオス・クリロノミアを採取できればすぐ出立だし別に問題はないけど…」

「あー…なるほど、オデュッセウスから逃げるっつー理由ができてカルデアに合流する、ってことっすかね」


マンドリカルドは唯斗の言葉でドレイクの意図に気づいたようだ。外堀を埋めるということだろう。


「だ、大丈夫なのでしょうか、ボーダーに断りなくオデュッセウスに勘付かれる行動をしてしまいましたが…」

「ヘスティアでも兵士倒して問題なかったし、大丈夫だとは思う…さすがに、住民もいる島に艦隊からの砲撃や怪物の上陸をさせるとも思えないしな」


兵士はヘスティア島でも倒している、恐らくは定期連絡があるはずのため、それが途絶えたタイミングでオデュッセウスはこちらの居場所を関知する。時間は猶予こそないが、直ちに致命的な問題とはならないはずだ。
あるとすれば、アルテミスによる衛星軌道攻撃だが、住民ごと吹き飛ばすというのはさすがに考えにくい。

その後、予定通り、ネモにテオス・クリロノミアを投与して、さらにドレイクに頼まれていたもう1騎分のものも採集してから、一同は集落へと戻る。


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