神代巨神海洋アトランティスIII−10


歩くことさらに数時間、ようやく神殿の最奥に到達した。
そこでヘファイストスにアキレウスの装甲を渡して鋳造させ、ノーチラスを補強するためのクリロノミアも入手。
あとは2時間の鋳造時間を過ごすだけとなった。

いろいろと話していると、アルテミスをどのように撃ち落とすか、という議論になった。
この島からではできないらしく、その理由をヘファイストスに尋ねたところ、ヘファイストスは来訪者記録のホログラム映像を投影した。
どうやら、先にここに来ていたサーヴァントたちのようだ。


『ここまで辿り着いたあなたたちに敬意を払う。あれから我々も新たな仲間を加え、そしてそれ以上に散っていった。だが生き残った者がいる、というだけで勝利だと思ってくれ』

『この身が人理のためになるンだ、気にすんなよカルデア!』


金時の声も聞こえてくる。今のところ、主として喋っている男がアーチャーであるということ以外は分からず、正体が判明しているサーヴァントは金時とメディアだけだ。
このアーチャーの声にしても、恐らく、唯斗たちには認識できないようになっている。


『そして、我々もアルテミスに遭遇した。たまたま散会していなければ、ヘラクレスがいなければ。我々はあっけなく全滅していただろう。それから…』

『警告。アルテミス、上空から探査開始。短時間、通信遮断』

『む?おいどうし……』


アーチャーの言葉を遮って、ヘファイストスは神殿と屋外との通信を途絶させた。アルテミスの上空からの探査だというが、それによってボーダーとの通信は停止する。


『ヘファイストス、通信途絶を確認次第、再開する』

『通信途絶、確認』

「え…?」


マシュが驚くのも無理はない。どうやらこの音声は、記録であるのと同時にAIによって自動的に会話を構成している。つまり、今のヘファイストスと連動している。
この場にいるヘファイストスの鍛冶ユニットが通信を途絶させたことをわざわざ確認してから、記録は再開された。


『これは大西洋異聞帯とは関係がない。確信を持って言えるものでもない。だが、伝えなければいけないという切迫した思いがある。違和感がないか?あなたたちの今の状況に。疑わないことは善ではなく逃避だ。疑うのだ。それがたとえ、心強い味方だったとしても。これはここだけの会話として欲しい。頼む』


なんとアーチャーは、カルデア側に疑わしい人物がいる、というようなことを言い始めた。疑うべき人物。それは、キリシュタリアとの戦いでロマニのような人物が言っていたことでもあった。カルデアには信用できない人物がいると。

その後、アーチャーは通信途絶を怪しまれないように、重要な情報も二つ提供した。これが外部に漏れることがないようにという配慮から通信を止めた、という体裁にするためだろうが、そこまでするほど信用できない人物がいるということのようだ。
正直検討もつかないし、何よりそんなことをしたくないというのが本音だ。カルデア襲撃から4つの異聞帯を巡る旅を経たメンバーだし、そのほとんどはグランドオーダーの最初から苦楽をともにしてきた。

とりあえず、アーチャーは重要な情報として、アルテミスを撃ち落とすべき場所と、ビッグホールへの向かい方を説明した。
どうやらアルテミスへの攻撃は途中で必ず消えてしまうらしく、直下の島、ネメシス島からであれば可能性があるとのことだった。
そして同時に、空想樹のあるビッグホールに向かうには、ネメシス島から始まる特定の海流に乗るしかないらしく、それはポセイドンが生み出したものであるとのことだ。

つまり、ネメシス島付近で必ず、オデュッセウスの軍隊と会敵し、さらにアルテミスを撃ち落とす必要があるということだ。


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