神代巨神海洋アトランティスIII−27
あっという間にヘッドコアに到達する。一際強いエネルギーを発する球体が地面から飛び出ており、これがコアだとすぐに分かる。
そしてすぐに、唯斗に向けて矢が飛んできた。それを、アキレウスの槍とアーサーの剣が弾く。
「どうです、ポセイドンの姿は。惑星環境改造用プラント船、主目的は海洋環境の改造と制御でした。今はビッグホールの門番と成り果てましたが」
「出てきたらどうだ、この世界のケイローン!」
アキレウスが吠えると、ケイローンはケンタウロスとしての姿で優雅にコアの前に降り立った。アキレウスを見て面白そうにする。
「おや、そちらは…カルデアの陽炎としてのアキレウスですか」
「あぁ。あんたへの仇討ちをするのに、こっちのアキレウスに引き継いでもらった。借りは返してもらう」
「あなたはもう一人のマスターとやらですね。そして異世界の騎士王。精鋭を連れているわりに感情論とは…まだまだ青いですね」
「青くて結構、若者なりに年寄りに引導を渡してやろう、この世界が袋小路と知りながら戦うのはつらいだろうからな」
「ええ。それでも私の愛したこの世界…滅ぼさせるわけには、いきません」
一気に殺気を高めたケイローンは、瞬時に矢を放った。弓につがえた瞬間がそもそも見えなかったほどだ。
しかしアキレウスは慣れたようにすべてを弾いて唯斗の前に立つ。
「今度は踵も潰されてねぇ万全の状態だ。ご指導、頼まァ!!」
アキレウスはそう言いながら槍をケイローンに向けて振りかざし、俊足で間合いに入った。残像すら見えない速さはもはや瞬間移動ですらある。
ケイローンはそれでもなお攻撃を防いでみせた。一方、コアも反撃を開始する。
いくつも鎌鼬のような斬撃がコアから放たれ、アーサーが唯斗を抱えてすべて避ける。唯斗はもう2騎を召喚する。
「ギルガメッシュ!アルジュナ!」
現れたギルガメッシュとアルジュナ・オルタに、ずきりと右手に痛みが走る。さすがに燃費の悪いアキレウスとアルジュナ・オルタが揃っている状態で、さらにギルガメッシュまでいるともなれば、かなりの負荷が掛かっていた。
「アルジュナは俺を抱えながら敵の攻撃を相殺、隙を見て反撃。ギルガメッシュは結界と強化術式でフォロー、アーサーはコアに集中的に攻撃」
「了解しました」
「よかろう!」
アルジュナ・オルタはすぐに唯斗を抱え、空中に浮かぶ。その腕に抱かれて掴まりながら、上空から状況を見守る。
ギルガメッシュはゲートから出現させた魔杖の術式を起動して、結界と強化を相次いでかけていく。アーサーはその援護を受けながら猛スピードでコアに駆け寄ると、一撃をまず加えた。
火花が散り、漏出した魔力が地面を溶かす。とてつもないエネルギーだ。
アーサーは臆せずに斬撃を畳みかけ、コアからの反撃はギルガメッシュの結界が防ぐ。
一方、こちらにも飛んでくるコアの迎撃やケイローンの矢はアルジュナ・オルタが相殺し、アーサーに攻撃しようとするコアを先制したり、アキレウスが距離を取ったケイローンに爆破を起こしたりと空中から援護を入れていく。
腕の痛みがかなり激化してきたため、そろそろかと唯斗はアキレウスに呼びかける。
「アキレウス!アルジュナはありがとう、戻ってくれ」
「お気をつけて」
アルジュナ・オルタが戻るのと同時に、戦車で駆けてきたアキレウスが唯斗を空中で回収してそのまま空中を駆け抜ける。後ろからは次々とケイローンの矢が放たれていた。
「アキレウス!こっちのアキレウスの仇を討つ、宝具展開!」
「…おう!
疾風怒濤の不死戦車!!」
そして、アキレウスは宝具を展開して走り出す。すぐに唯斗は戦車から飛び降りて、ギルガメッシュの鎖で受け止められ、そのままギルガメッシュに回収される。
「無茶をしているな」
「無茶するべき場面だしな」
呆れた様子のギルガメッシュだが、しっかりと唯斗を抱き留め、迫るコアの攻撃を結界で弾いていく。
一方、アキレウスはコアを、そしてケイローンを相次いで目にも留まらぬ速さの戦車で引き倒していった。
その隙に、唯斗はこっそりもう1騎を呼び出しておく。
「サンソン、」
「は、ここに」
「宝具展開、対象は、俺だ」
「……な、」