星間都市山脈オリュンポスIII−3


冷静だったポルクスも声を荒げると、文字通りの光速でカイニスの前に現れ、槍ごと剣で吹き飛ばした。
かろうじて防御したカイニスだったが、さすがにいなしきれず、勢いよく吹き飛ばされ壁に激突する。

一方、武蔵とマシュが迫り、その日本刀をカストロの盾が防ぐと、ポルクスの剣はマシュを狙った。マシュは一度盾でそれを防いだが、即座に2撃目が切り込まれる。
ギリギリのところでエミヤのニードル剣の矢がポルクスの剣を弾くと、マシュは盾でポルクスを牽制して距離を取り、武蔵もカストロの関節に一撃入れてから反対側に跳躍した。

続けて、ナポレオンの砲撃が放たれカストロの盾で防がれると、その煙幕によってアーサーとエミヤが接近、すぐに煙を吹き飛ばしたカストロにホームズが光を照射して目くらましをして、その隙にアーサーの斬撃がカストロに叩き込まれた。
エミヤの短剣による攻撃もポルクスを背中から切りつける。

ディオスクロイはそれぞれ瞬時に体勢を立て直し、再び光速で移動すると、動きを制限するナポレオンの背後を取った。ナポレオンが驚く間もなく、ポルクスの剣がナポレオンを背中から串刺しにする。
しかし、ナポレオンは自分の腹を貫通する剣を素手で握りしめた。口からも手からも腹からも血を流しながら、ナポレオンは不敵に笑った。


「あの、ディオスクロイの剣だ、そう、簡単に、抜いてもらっちゃあ、困るぜ…!」

「ぐっ、人間…!」


ポルクスは剣が離れないことに眉を寄せる。
その一瞬の隙を突いて、武蔵とアーサーの剣がポルクスに迫った。すぐにカストロが防ごうとしたが、今度はマシュも出てきて魔力を放つ。

盾は魔力の円陣を出現させてカストロを弾く。


「な…っ、それはアイギス…!?」

「バカな…!」

『ふっ…、エウロペ妃の、手料理に…アテナ・クリロノミアを…混ぜておいたのだよ…!』


どうやらヘファイストスがアテナの加護を与えてくれていたらしい。それによってマシュの盾は通常より強化されている。
そして、カイニスがカストロを吹き飛ばし、武蔵とアーサーの剣によってポルクスも地面に叩き付けられる。それぞれ剣と盾を取り落とし、地面に膝を着いた。
ナポレオンはそこで消失する。


「ぐッ…!」

「兄様…!」

「勢いづかせてなるものか!ヒトごも、英霊どもの殺し方は熟知している…ッ!」


すると、カストロはニヤリと笑うと、再び瞬時に移動した。
そしてなんと、立香の背後に回り込み、その首根っこを掴み上げていたのである。


「全員動くな!…いや、動いても構わん。そのときはこの男の頭蓋を掴んで脊髄を引きずり出してくれる」

「…お見事です、兄様」


まさか、マスターである立香を人質に取るとは。そこまでしたら、本当に人間のようになってしまう。そうまでしてカルデアを滅ぼすつもりなのだ。

全員に緊張が走る。こういう事態は想定されていたが、この双子の攻撃モーションはあまりに速い。というより、「神ともあろうものが人間を人質に取るとは想定しなかった」というのが正直なところだ。

一方、カストロはニヤリとしながらも、その口元からは血が垂れる。それを見てポルクスは息を飲んだ。


「まさか兄様…!権能を使用しての超光速移動!?我らはすでに真正の神ではなく、神霊の身!権能の本格使用は霊核の全損を招きます!」

「ふ、この程度、どういうということも…、」


そう言いつつも、さらにカストロは血を吐き出す。首を掴まれたままの立香は横目でそれを見て、冷静に口を開く。


「後がないならもうやめなよ」

「貴様ッ!」

「マスター!」


さらにカストロの力が強まり、立香は呻く。マシュは思わずといったように一歩踏み出したが、目敏くカストロはそれを目にした。


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