夢が叶った先に−4


「…応利」


低く名前を呼ばれ、燈矢の方を向く。頬を指がなぞり、そして後頭部に手が差し入れられた。そのまま引き寄せられ、唇が重なる。

ちゅ、と水音が響き、舌が中に入ってくる。家の車で、とか、いくら人がいないとはいえ外で、とか、そういうことは頭にないというわけではない。
だがそれよりも、運転席に座る燈矢がやはり格好良くて断れなかった。どうにも応利は、こういうベタなシチュエーションに弱いらしい。

シャツのボタンの上半分が外され、中に手が侵入してくる。体温が高い燈矢の手は温かく、胸元を探られ指がその先を掠めると、キスしながらくぐもった声が漏れる。

コートやシャツなどが1枚ずつ脱がされていき、肌がだんだん露になる。前も寛げられ、下着の中もまさぐられる。


「ふっ、んッ、ぅっ、」


漏れる応利の声が多くなってきたところで唇が離れる。燈矢はぺろりと自分の唇を舐めてから、晒された応利の胸板に舌を這わせた。先端を吸われ、じんとした快感が下腹部に溜まる。


「あッ、ん、」

「ちょっと声抑えてンだろ」


キスしていないため声が大きくなってしまうと抑えると、それを目ざとく燈矢は気づいた。周囲も静かな分、声が漏れ聞こえてしまうのではと思ったのだ。
燈矢もそれ自体は否定しないようで、声を我慢する応利を見て、すっと目を細める。


「エロ…」

「うる、せぇ、んっ、」


あちこちを舐められキスを落とされる。すでに下着とスウェットが足元までずり落ちているだけで、ほぼ服を着ていない。一方、燈矢は1枚も服を脱いでいなかった。
車の中で自分だけ、というのが恥ずかしくなる。


「燈矢も脱げよ」

「ん、分かった」


燈矢は気にせず豪快に服を脱ぐ。そしてジーンズをずり下げると、立派なものが飛び出した。


「ここ乗れ。入れなくていいから」

「入るか」


慣らしていないのに入るサイズではない。さすがに最後までできる環境ではないため、応利は靴を脱いでから下着とスウェットも脱ぎ、靴下だけで運転席に移動する。
そして向かい合うようにして燈矢の膝の上に乗ると、燈矢は運転席の背もたれを軽く倒す。少しだが傾きが増したため、燈矢に押しかかるように体重を前に倒せた。
寒さが気になってきていたため、温かい燈矢にほっと息をつく。

するとそこで、燈矢は再び応利の乳首を口に含んだ。敏感になってしまったそこはすぐに快感を拾う。


「あっ、んッ、!」


さらに、応利のものと燈矢のものをまとめて扱き始める。裏筋が擦れ、敏感な先端を刺激され、加えて胸元などほかの性感帯まで弄られる。
つい、燈矢の肩に手を置いて快感が逃げるようにしがみつく。

そこに、胸元でより強い刺激が走った。なんと、軽く燈矢が応利の乳首に歯を立てたのだ。甘噛みのようなものだが、鋭い刺激はあまりに強く、痛みなどではなく、強烈な快感となって脳天を揺らした。


「ひぁッ!!あっ、んッ!」


油断していたため、声が大きくなる。車内に響いた自分の声の大きさに驚き、自分が乱れている事実に恥ずかしくなり、それすら快感に変わる。


「あッ、やば、もう、だめ、とうや、」

「ハ、いいぜ、一緒にイくぞ」


一気に扱く手が早くなる。遠慮のない強さと擦れる裏筋の気持ちよさによってあっという間に高められた。


「イく……ッ!!」

「く……っ、」


燈矢はすぐにティッシュを数枚出して、勢いよく飛び出た二人の白濁を受け止める。粘度が高いため、垂直にティッシュで受け止めてもすぐには垂れてこない。

ひとしきり出したところで、素早く燈矢はティッシュを丸めつつ、二人のものを軽く拭いた。
しばらく二人の荒い息遣いが静かな車内に響く。

ぐったりと応利は燈矢に凭れるように抱き着く。燈矢もティッシュを捨ててから応利を抱き締めた。
硬い燈矢の体に包まれて、その首筋に顔を埋めると、燈矢は耳元でいたずらっぽく囁く。


「噛まれてイけるようになりそうだな?」

「…1年前はこんなことなかったのに……」

「1年でこれなら、この先どうなっちまうんだろうなァ」


楽し気に言う燈矢に、応利は若干不安になる。
だが、バレンタインのときのように、きっと燈矢は応利のそうした変化をすべて丸ごと受け止めるだろう。それに引いたりするようなことはない。


「お前のせいなんだから、お前が責任取れよ」


ぐりぐりと肩に顔を押し付けて言えば、燈矢は小さく笑って深く抱きしめる。


「当たり前だろ、俺以外に責任取らせてたまるかよ」


そんなしょうもない会話が、静かな空間にぽつぽつと落ちていく。

再来週には、応利はついに自分の事務所を持ち、燈矢と二人でヒーロー活動を行う。だからだろう、将来もずっと二人でいることに、もはや疑いも不自然さも感じなかった。


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