剛翼と蒼炎−10


そう言った瞬間、燈矢は目を見開き、そしてすぐに唇を重ねてきた。
性急なそれに、舌が咥内に押し入り上あごをなぞられる。舌を吸われ、びくりと体が撥ねた。

どうやら火をつけてしまったらしい。そしてそれは応利も同じだった。


「んッ、は、なんで、燈矢さん、こんなこと…っ!」

「お前が悪ィんだぞ、応利…大人煽ってタダで済むと思うなよ」


敬語で燈矢に話し、燈矢が大人として応じる。もしも冷静だったなら何をしているんだと思うところだが、あまりに自然に会話が成立してしまったため、倒錯的な状況に、もはや違和感を抱けなかった。

抵抗していた応利の手を頭上でひとまとめにして、燈矢は応利のワイシャツのボタンを外していく。ネクタイがあるため2番目のボタンから外され、中途半端に開いた隙間から、無骨な手が侵入してくる。
わざわざ下着を着ることはしなかったため、ダイレクトに胸板をなぞられる。
そのまま乳首を引っかかれ、さらに体が撥ねた。


「あっ、ん、!」

「エロガキ」


そうからかうように言って、燈矢は乳首をつねる。鈍く強い感覚が下腹部に溜まり、肩が揺れるが、いまだに手を拘束されているため動けない。

燈矢は、かつては応利を先輩として、今は対等な相手として扱ってきたが、当然ながら年下扱いしたことなどなかった。
そのため、こうして年下にするような言動をされるのが新鮮で、普段と違う意地悪な燈矢の目の色に、それだけでずくりと腰に快楽が集中するような気がした。

さらに、燈矢はスラックス越しに応利の股間を刺激してくる。
加えて、シャツを開いて上半身に舌を這わせ、胸の先を口に含んだ。上下に一気に快感が押し寄せるが、手を動かせず逃げ場がない。
追い立てられるような快感が少し怖くて、応利は喘ぎ声の合間に頼む。


「あッ、んっ!ぅあっ、とう、やさん、手、はなして…っ、ぎゅって、したい…!」

「…っ、可愛いやつ」


燈矢は低く濡れた声でそう呟くと、手を離す。途端に、応利は燈矢に抱き着くように背中に手を回した。
縋るようなそれに気をよくしたのか、燈矢は上機嫌に応利のベルトを外し、前をくつろげる。

少し前を弄ってから、下着ごとスラックスをずりおろす。半端に左足に引っかかった状態で止めると、ローションを纏わせた指を後ろに宛がう。

すでに風呂で準備していたため、5分ほどで解すのは終わり、燈矢は体を起こして応利の後ろに自身を宛がう。

髪がワックスで立てられていない以外は普段通りの燈矢は、ズボンを下ろして、いつもより怒張したそれを一気に応利の中に押し込んだ。


「〜〜あッ!!」

「ふーッ、すげ…」


恍惚としたようにこちらを見下ろす視線にぞくりと震える。
中に埋め込まれた燈矢のものは、確実にいつもより大きく硬い。それだけ興奮しているということだ。

応利の顔の両サイドに手をついて、腰を振り始める。視界が燈矢でいっぱいになり、ヒーロー・トーヤに犯されているという感覚が強く沸き上がる。
それに後ろを締め付けてしまうと、燈矢は呻くように「お前な」とたしなめるが、止めようがない。


「ひッ、んッ、ぅあっ、あッ!」


応利の奥を穿つそれに、最も敏感な部分を容赦なく揺すられ、脳天を快感の波が立て続けに襲う。
コートの内側に、インナーに沿って背中に手を回すと、燈矢も体を低くして応利を抱き締める。

自然と近くなった唇が重なり、乳首をつままれ、感じるところを抉られ、一気に昂っていく。


「んゥッ、はッ、あっ、も、だめ…っ!」

「はーッ、イけ、応利」


そして耳元でそう囁かれたのを決定打に、応利は達した。白濁を腹にぶちまけると、締め付けられたことで中のものもぐっと膨れる。


「く……ッ!」


燈矢もそうしてゴム越しに中で果てた。ビクビクと中で震え、二人の荒い息遣いが寝室に響く。
冬場とはいえ制服を着ての運動は暑い。興奮していたことも相まって余計に体温が高いが、同時に、二人揃って果てたことで急速に冷静になってくる。

いわゆる賢者タイムというものだ。
そして、応利は燈矢と目が合い、二人とも大きく息を吐いた。


思いのほか盛り上がってしまった。
二人ともこんなことをするキャラではないというのに、ノリに任せて突き進んだらこの結果だ。

いったい自分たちは何をしていたのか。それを冷静に考えるとどうにかなりそうだったため、二人はそれ以上何も言わず、「シャワー、するか…」とだけ述べたのだった。


133/143
prev next
back
表紙に戻る