俺の恵方巻
●R-15
まさにyaoiな文です
節分の季節がやって来た。
豆を投げたり、豆を食べたり、恵方巻を食べたり。豆まきについては、豆代わりの小粒ペイント弾を演習授業で投げ合い、最も汚れた者が掃除をするということですでに終えた。
灯水は焦凍とともに氷結の防御で防いでいたので逃れた。
掃除をすることになったのは峰田や上鳴たちである。
そうしていつも通りの時間に寮に帰ってくると、灯水は課題をしにいったん自室へ戻った。
そのあとは夕食や入浴も済ませて、もう就寝を待つのみである。そんな中、なんとなく焦凍が気落ちしていることに気づいていた灯水は、寝る前に尋ねておくことにした。
***
共有スペースのキッチンにて、周りに誰もいないのを確認しながら茶を淹れる。焦凍は隣で湯飲みを出していた。
「ねえ焦凍、なんかあった?」
「…あぁ」
煎茶の香りを立たせて湯飲みに注ぐ。焦凍はやはり沈んだような声で頷いた。
「どうしたの?」
「…灯水に、」
「うん」
「『俺の恵方巻食え』って言ったら喜ばれるって思ったんだが、俺作れねえって思ってな」
「は!?!?」
焦凍の落ち込んだような表情で放たれた言葉に驚愕する。灯水は慌てて焦凍の肩を掴んだ。
「どうしてそう思ったわけ?」
「峰田に言われた。今日は気になるヤツや好きなヤツにそれを言うと喜ばれるって」
「あの腐れ葡萄…!」
掃除させられた腹いせか何かだろう。大方、焦凍の株を落とすためだ。恐らくその場には上鳴もいたはずだが、焦凍がそれを言うであろう相手を分かっているので、きっとノったに違いない。
「ごめんな、俺は恵方巻作れねえから…」
どうやら焦凍は、「俺の」という部分を自分が作ったものという意味で取ったようだ。それで、純粋に灯水を喜ばせようとしてできなかったと嘆いているのだ。
「可愛いがすぎる…」
「…?」
「焦凍、部屋、戻ろう」
灯水は堪らない気持ちになって、急いで焦凍を連れて部屋に戻った。
エレベーターを上り、廊下を早足で歩き、扉を開ける。中に入ると、扉を閉めて、すぐに焦凍を壁に押し付けた。
「うお、」
「焦凍、焦凍の恵方巻もらうね」
「は…?」
我ながら何を言っているんだと思いつつ、灯水は焦凍に口付けた。性急なそれに焦凍は驚くが、反射で返してくる。
その合間に、灯水は焦凍の股間を鷲づかむ。びくりと震える焦凍を無視して、ゆるゆると揉んでいけば、あっという間に固くなった。
「っ、は、灯水…?」
「こういうことだよ、焦凍」
灯水はしゃがみこみ、目の前で立ち上がる焦凍の自身をスウェット越しに撫でたあと、一気にそれを引きずり下ろした。
途端に、大きな焦凍のものが眼前で震える。それを、躊躇いもなく咥えた。
「ちょ、おい、」
焦ったような声が落ちてくる。灯水は右手で根本を掴み、左手で焦凍の逞しい太ももに縋る。
最近は忙しくてご無沙汰だったからだろうか、焦凍はすぐに息を詰めた。無意識だろう、頭をやわく掴まれ、腰が揺れる。
自分の行為で焦凍が気持ちよくなっているという事実に、灯水も興奮した。
「灯水っ、もう、」
「んー」
限界のようだ。そこで灯水は口を離して焦凍を見上げる。
「わかった?どういうことか」
「っ、はぁ、」
「…次はどうしたい?」
いたずらっぽく聞いてやれば、焦凍はつらそうに顔を歪めた。
「下で、食ってくれ」
「ド下ネタだよね。いいよ」
切羽詰まった様子に苦笑する。
そして、灯水は少し乱暴に焦凍に手を引かれた。
長い長い関係の二人だ。たまには、こういうのもありかもしれない。