お騒がせ会見 猫の日編−2


やがて定刻となり、事務所の前に集まった報道陣の前に出ることになった。今日は企画であるため、きちんと報道陣にお披露目をしなければならないのだ。
爆豪はめちゃくちゃ嫌そうにしているが、緑谷は「ワイプシのリスペクトができるなんて…!」とクソナードしている。轟は揺れる尻尾を弄っていた。2人は生きやすそうだと思う今日この頃である。

ワイプシとともに、計8人のヒーローが報道陣の前に出た。思ったよりも多くの取材が来ており、途端にフラッシュが焚かれる。もちろん、3人に迫られる応利という話題がずっと世間を騒がせていることもこの数をもたらしている。


「皆さん、今日はお集りありがとうございます!」


取材の進行はマンダレイだ。といっても簡単な会見のようなものなので、さくさくと経緯を説明して、今日一日、4人がチームアップして仕事をすることを発表する。


「じゃあさっそく、限定チームアップの名前を発表してもらいましょう!」


その言葉は合図だ。4人は、ワイプシのような登場モーションをしなければならない。罰ゲームとは思わないようにするので必死である。まず最初に言葉を発するのは応利だ。


「煌めく眼でロックオン!!」

「猫の手手助けやってくる!」


言いながら応利は伸脚のようにして体を左に思い切り倒し、腕を左前方に突き出す。続くのは緑谷で、緑谷は逆に右側に体を傾けて腕を伸ばした。


「どこからともなくやってくる」

「クールにキャットにスティンガー…」


次に轟が左手を上げる形で、左を向きながら招き猫のポーズをとる。そして爆豪がやる気なさそうに言って、轟とは逆の右手を上げる形で招き猫ポーズをした。
ワイプシのフォーメーションを、マンダレイ役を応利、ラグドール役を緑谷、虎役と轟、ピクシーボブ役を爆豪が分担しているのである。
最後に4人で声を揃えてチーム名を唱える。


『ワイルド・ワイルド・ファイター・キャッツ!』

「はい!通称ワイファイの4人です拍手!」


すかさずマンダレイが言えば、報道陣から拍手と笑いが響いてきた。恥ずかしいと思ったら負けである。というかワイファイとは、と内心でツッコミを入れた。


「日頃キャットファイトを繰り広げる4人からこの名前をつけさせていただきました〜」


そう茶化すように言ったピクシーボブに、さらに報道陣から笑いが漏れた。やかましいわ。
フォーメーションを解くと、記者からの質問を簡単に受け付ける。主に緑谷が答えて、内容もほとんどは今日の仕事内容だった。


「それぞれの意気込みをお願いします」

「あ、はい!ワイプシの皆さんから多くを学ぼうと思います!」

「…チームアップは初めてなので、勉強させていただきます」


そんな質問に、緑谷と応利は模範解答を返した。轟は「頑張ります」、爆豪は「やることは変わんねーよ」と答えた。適当だし不良すぎる。


「ちなみに、ワイファイメンバーのキャットファイトは決着つきそうですか」


するとそんな質問が飛び出した。来るだろうと思っていたので応利が答えようとすると、爆豪にマイクをひったくられた。


「俺がケリつける」


そんな爆豪に、轟がむっとしてマイクを奪った。


「俺が勝つ」


さらに緑谷が轟からマイクを受け取る。轟も普通に渡していた。そこは律儀だった。


「式場の応利君の隣には僕が来る予定なんで」


好き勝手言う3人に、ピクシーボブなどはヒュウと囃し立て、報道陣もフラッシュを焚く。応利は笑顔を引き攣らせると、緑谷からマイクを取り戻した。


「俺は犬派なんでこのクソキャットどもはありえないです」

「異議あり!」


そんな応利に緑谷が手を上げると、轟と爆豪まで手を挙げて勝手に主張し始める。自分も犬派だの猫は今日だけだの聞いてもいないことを喋った。


「というかネコは君だよね」


最後にそう言った緑谷を、応利は無言で殴った。


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