昨日の晩、突然松平のとっつぁんが屯所へやってきた。すぐに近藤さんの部屋へ通し近藤さんと俺、そして総悟が同席した。
「いったいどうしたってんですかとっつぁん」
「どーしたもこーしたもねぇよオメェ……この間の残党狩りの件なんだが……」
「す、すまねぇとっつぁん……まだ後残ってる見てぇなんだが……」
「いやぁー実によくやってくれたとお上から激励が下ってなぁ……」
「え?」
「そういう事で近藤ォよぉ少しばかりだがボーナスが出るそうだ」
「へぇーお上がボーナスくれるたぁ珍しい事もあるもんなんですねィ」
先週、前々から山崎に調べさせていた過激派の連中の残党が桝屋(ますや)っつー店に集まっているという情報が舞い込んできた。数人捕り逃しちまったが、大多数が捕獲でき残りの連中ももうすぐ捕まるだろう。その件で今回手柄をあげた俺たちに臨時ボーナスが入るらしい……。
「どういう風の吹き回しか知らねぇがくれるってんだから貰ったらどうですか、近藤さん」
「そうですぜィ土方さんに女が出来るくらい珍しい事なんですから」
「オイコラ、テメェそれは俺がモテねぇっつってんのか?あぁ?」
「だってそうじゃないですかィ。何時だったか『ミイラ男ー』とか言われて灰皿投げつけられてたのは誰でしたっけかなァ」
「っ!あれはだな!怪我して……」
「なに包帯のせいにしてんでィ『ミイラ男』でさァ『包帯男』じゃないんですぜィ
つまり、土方さんは女どもから見たらもう手遅れなカピカピ野郎ってことでさァ」
「なっ!……」
「おい総悟。そこら辺にしとけ。みろトシが本物のミイラに見えてきちゃったじゃないか今日寝れないよ俺」
「なにげにテメェが一番ひでぇじゃねぇかよォォォォォォ!!!」
このときから
俺の“運命”は静かに歩き出していた───……