無謀なお前を欲している(1)



息を吸うと喉が痛い。
目もチカチカして痛い。酸欠で頭がクラクラしてきた。
サムがキューブをバンブルビーから受け取り、アスリートになれるくらい必死に走ってるなか、私はジャズがオォゥ…されるビル?タワーだっけ?を探してた。
途中で負傷した軍人さんたちに連行されそうになったり、手榴弾をくすねたり大変だった。

すぐディセプティコンに使ったけど。

非力な私が戦うためには何でも武器にしないと。
でも自分の身の丈に合ったものが好ましいよね。
使い慣れないとケガするよっ!
ディセプティコンの攻撃により降り注ぐビルやガラスの破片、掴まれた腕を無理にほどいたせいで、前の世界が秋になりかけなので着ていたタートルネックが片方袖無しになってしまった。

「ファッションセンスを疑われる!」

緊張状態を緩和しようと叫んでみたが、走っているのが余計辛く感じるだけだった。

とうとう目的の場所に着いたが、映画と場所がズレている。
映画では人が登れなさそうな塔のてっぺんだったが。

「高っ!ハァ、ゼェッ!…ハァ」

とりあえず何階あるんだこのビル。
口から心臓出てきそうなくらい必死に登る。…いまやっと4階くらい。
エレベーターはおそらく壊れてる。
全力疾走で足が疲れて動かなくなってきた。
息もしずらい。
手も使い階段を登る。

後少し。

(後少し!)

その時。

轟音と共に床が、建物全体が揺れる。
それにより側の窓ガラスが割れ、窓枠が歪んだ。
彼が来たのだ。

(建物間違ってたらどうしようかと思ってたとこだよ)
などと強がってみるが、すぐ側の窓から上を見て絶句した。

メガトロンとなぜか後ろにスタースクリームが。
ジャズのところに行くには、屋上か、ここからジャズの腕に向かって外に飛び出すしかない。しかし屋上はディセプティコン2人の背後に出るのはいいが、無事にジャズの側に行けるとは到底思えない。
と、いうことは。

リハーサルなしの一発勝負。
この割れた窓から、無限の彼方へさぁ行くぞ!

「ってなるかぁ!無理無理無理っ高いし怖いよ!届かなかったらアレじゃん。イっちゃうじゃん。別の意味で。」

高所恐怖症の幸縁はビビる。

「高所恐怖症に対してこの仕打ち!悪魔かちくしょうっ!!」

窓から思いっきりジャンプして届くかなってところにある手。
つかみ損ねたら地面に真っ逆さま。

『£Д‖*‐´ψ!』

叫ぶメガトロン。

(早くしないとジャズが死んじゃう)

足が震えるのが分かる。

(いやだ。やだ!)

脳裏に浮かぶ二つに分かれた彼の姿。

「死なないで…!!」

恐怖を無理やりねじ伏せ、震える足を叱咤し助走をつけて思い切り走り始める。
窓の縁に来た瞬間歯を食いしばり、飛んだ。と同時に叫ぶ。

「ギリステアーー!!」

掌から離れた金属バットは光沢を取り戻し、その装甲を展開させていく。
ただの金属バットでは無い、金属生命体として傍に立つギリステアに助けられながら、幸縁は仲間を助けに向かうのだった。

(今行くよジャズ)
小説ページへ トップページへ