どんとむーびんぐ!(7)



地面が大きく揺れるほど大きな爆発音が鳴り響いた。
咄嗟に私は身を縮ませたが、予想より振動は伝わってこなかった。
耳が少し痛かったが音はちゃんと聞こえているので一安心。と思っているとオプとメガトロンが何度もどこかと連絡を取ろうとしている。

(きっと、キューとドクターだ)
「わたしのせいだ…」

私がいなかったらドクターがキューの所に行かなかった。
急いで走り出す。
どこかケガをしていたら?

(直さなきゃ。手遅れになる前に)

走って数分。
焦げ臭さと土煙を頼りに爆発場所へたどり着いた。

『あぁ…なんてことだっ!』

どこかから声が聞こえるが、ドクターのものではない。
その方向へ駆け寄ると、何かにつまずく。

「…っ!?」

赤い光。
弱々しく点滅するそれは先程まで一緒にいた。

「ドクタァァーーッ!」

うそ、嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだ!

「死んじゃやだよぉぉお!うあぁあァあアあっ!!」

泣きながらドクターの砕けた体を抱き寄せる。
叫んで、叫んで叫んで叫んで、その後幸縁は意識を失った。
目の前が真っ白くなった後のことは、よく覚えていない。










ふと、自分の意識が浮上して行くのを感じる。
やめて、いやだ…ごめんなさい。このまま、ずっと夢の中にいたい。
暗い空間でもがく。しかし彼女の願いは聞き届けられず、結果目は覚めた。

『サッサトオキロ!!』

ゆらゆらぐらぐら動きながらも視界に入ってきた姿と声は。

「ドク…ター…?」
『ナンダ!』
「……うぁぁぁぁあんドクチゃぁあー!!」

生きてた!反応してくれた!
ウエ゙ァァアッと泣きながら力いっぱい抱き寄せると目一杯抵抗されたが幸縁は離さなかった。
それからしばらくして落ち着いた幸縁は、腕の中に収まっているドクターに話しかける。

「きょ‥ここはどきょ?」

結局噛んだが気にせず言う。
人間の大人でも、体育館より広く感じるであろう部屋。

『オートボットノ軍医ノヘヤダ!』
「ぐんいって誰?」
『ラチェットダ!反対シテタヤツ』
「ふぅ〜ん」

戸棚のような(サイズが大きい)ところの近くにある予備のチェーンソーの歯が物騒ですね。
とキョロキョロその場から動かず辺りを見ていると、入り口から先程のメンツ+1体のトランスフォーマーが部屋に入ってきた。

『……シエン』
『貴様を拘束することが決定した』
「えぇっ!?」

驚いて叫んでしまった。幸縁の(声変わり前の高い)声が広い空間にばらまかれて、すぐ消える。
声に反応して気まずく感じたのか、身じろぎしたオプティマスともう1体。

「元々その予定じゃなきゃったの?」

てっきりそう思ってたよ!と言って笑った。
いくらなんでもメガトロンが教育?飼育?するとしても完全自由なワケ無いのは勿論だし。

「怪しいことは疑うのが当たり前だよ」

だから気にしなくていいよ?と言葉をかける。

『…分かった』

牢屋へ入れられるまでの道のり、誰も口を開かなかった。
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