赤と白と温もりにまつわるetc(1)



悲しいことや辛いことがあると、いつもより温かいものが食べたくなる。
食品の温度だけじゃあない。その食品や料理から誰かの心が感じられるものだ。

「…お腹すいた」

ただ腹が減っていても食べたくなるが。


幸縁はバイトの帰り道を一人歩く。
アメリカにもあるコンビニでバイトしている彼女は今日は夕方でシフトが終了し、久々に日本の食材を扱うスーパーに買い物に来ていた。

「卵と納豆はあった。椎茸食べたい…あ、お豆腐安い。肉、肉かぁ〜」

冷蔵庫の中確認すればよかったとぼやく。

「肉もいいが魚は?」
「魚は捌くのが…!?」
「ようシエン」
「えっ、だっ誰!?」
「落ち着けよ」

いつの間にか隣にいた男に驚いて、持っていた食品を落とす。
その落ちた食品をすぐ宙で掴み、幸縁に手渡す彼は。

「バリにぃに!」
「元気いっぱいでなによりだ」
「あはは…バリにぃには元気だった?今日は非番なの?」

かれこれ会うのは8ヶ月ぶりだろうか。

「あぁ。…今日は警察官じゃねぇから、そこにいる虫けらの上着の中を暴くことは出来ねぇなぁっ!」
「え!?」

慌てて逃げる万引きおばさんが店員に捕まるのを見てため息をつくバリケード。
…どうやら元気いっぱいではなさそうだ。

「バリ兄、非番なら私ん家でご飯」
「食う」

言い切る前に返事され、笑う。

「あはは、わかったよ〜。疲れた時はたくさん食べて寝よう!あ、今日フレンジーは?」
「いる。…シエン」
「うん?」
「頼みがある」

いつもの元気が無いバリケードを見て、何とかしたいと思った幸縁はその頼みを快諾した。

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