赤と白と温もりにまつわるetc(2)



若干車酔いした幸縁がタクシーから降り、続いて荷物を持ったバリケードが運転手から釣銭を受け取り、降りた。

「大丈夫か」
「なん、とか…うぇ…」
「相変わらず車酔いに弱いって…なんだかつまんねえなぁオイ。この貧弱」
「何故に罵倒!?」
「貧弱だから…お前と遠出出来ねえだろうが」
「あいあむStrong!」
「お前はStrongよりStrangeだな」
「メシ抜きにすんぞ」
「スイマセン酔っ払い」
「アルコール0%ですぅ〜!」

じゃれ合いながら自宅に到着。

「あれ?鍵開いてる…」
「あ゛?フレンジーか?とりあえず」
「ただいまぁああああああ!!」
「話聞け!」

中に入ると

「邪魔してるゼ」
「「「おかえりー」」」
「ハチェット!クロウバー!クランクケース!フレンジー!ただいまオラァ!!」
「ギャッ!」
「イテッ!」
「イテッ!」
「イデテッ!」
「とりあえずドアノブ喰うな!鍵の意味が無いでしょうが!」

帰宅したら厳ついお兄さん達がお出迎えしてくれました。
ドアノブ壊して食べたハチェットを床に正座の刑に処し、残ったバリケードを除いた3人で買ったものの片付けを始めた。

「いつ家に着いたの?」
「シエンがスーパーで買い物してる時」
「返事した?」
「後に、すぐハチェットがドアノブクラッシャー」
「バリケードから通信が来てすぐダ」
「チクんなよ!」
「「「鍵壊す奴が悪い」」」

ギャーギャー騒いでいると玄関からチャイムが鳴る。

「やばい!もう来ちゃったかも!?」
「あ〜あぁ〜」

再度鳴るチャイムに急かされ急いで玄関に。

「はーい、どちら様ですかぁ?」
「F-22だ」
「M1エイブラムス戦車」
「人工衛星」
「人工衛星!?」

(今日はサテライトモードなんだ)

特徴的すぎる訪問者達の為にドアを開けようとするが。
ドアノブが無い。丸ごと。

「おいおい寒いだろ嬢ちゃん。早く開けてくれよ」
「…ドアノブが無い」
「シエン!無事か!」
「うん!だ」

バガンッ!!

ドアノブが無いため扉が開けられない。
そのためブロウルが蹴りでぶち破った。
千切れ飛んだ扉の破片を被りながら、幸縁は笑った。

「あはは!おかえり!」
「「「ただいま」」」
「…くしゅんっ!」
「あ゛」
「寒ぃだろうがボケ!」
「「あ〜あ〜」」

風を遮るモノが無くなり部屋に寒風と雪が入っていく。
幸縁は肩を震わせくしゃみをし、バリケードとフレンジーは扉を壊したブロウルに文句を言い出した。

「何だ何だぁ?…うおおぉ足が〜」
「雪が入る!!」
「…」

騒ぎを見ようと動いた正座したままのハチェットが痺れた足に悶絶。サウンドウェーブが静かにどこかに連絡を取り、スタースクリームが靴を脱ぎ室内に入った。
室内のディセプティコンが全員ふわふわスリッパを履いている。

「…ハチェットがドアノブ食べました」
「今回の食事会、酒抜きだなお前」
「マジかよぉおお!」

サウンドウェーブが無言で触手を出しハチェットを虐めだした。ドSだ。
吼えるハチェットが痺れた足を弄られ床でジタバタしているのを、バリケードとスタースクリームが良い笑顔で見下していた。うん、ドSだ。
幸縁はそっと視線を外した。

「ごめんね三人共。お客さんなのに」
「あの馬鹿が壊したんだから連帯責任だ」
「そうそう!だからアンタは気にしなくていい!」
「シエンは優し過ぎなんだヨ」

床に散らばった元ドアを片付ける幸縁達。

「全く。せっかく暖まりに来たってのに」
「早く鍋喰いてぇなぁ…」
「そうだね、早くみんなで鍋を囲みたいよ…」

そう。バリケードからの頼みというのは、幸縁の自宅でディセプティコンのみの宴会を催すことだった。

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