赤と白と温もりにまつわるetc(5)



「テーブルよし座布団よし具材も鍋の出汁もよぉし!完・璧!」
「さっき魚の臭いで吐きそうだった奴とは思えないな。ほれほれ」
「ヤメテ。ワタシ、タベルセンモンデス」
「デモリッシャー、その臓物にまみれた手をなんとかしろ。キッチンの片付けもやってやれ」
「あいよ」

半泣きな幸縁を庇うスタースクリーム。幸縁の頭を撫でてやると、彼女はスタースクリームに抱きついて彼の服に顔を埋めた。余程魚の血生臭さが堪えたのだろう。

「すーはーすーはー」
「…」
「ケケケッ、シエンが変態にトランスフォームしたゾ」
「匂いフェチか」
「サウンドウェーブ、換気手伝エ」
「あぁ。……スタースクリーム」
「代わらん」
「チッ」
「くんかくんか」

フレンジーとサウンドウェーブが窓を開けようと窓際に立つと、家に面した道路で車が停車したことに気づいた。まず降りてきたのは長身の男三人。続いて子供とその保護者と思しき男。
サウンドウェーブは振り返り言った。

「閣下がお見えだ」
「!」

その言葉で幸縁は復活。
ズンチャカズンチャカと妙なテンションで玄関へ行き、扉を開いた。

「メガトロンさん!」
「"待て"も出来ないのか貴様は」
「うん!お帰りなさい!」
「…」

一刀両断。
呆れたメガトロンが器用に片方の眉を上げた。

「なんだこの無残な扉は」
「劇的でしょ?」
「あぁ」

眉間に皺。

「寒いからどうぞ入って入って!」
「フン…」

メガトロンを家に上げ、幸縁は後ろにいた人達に声を掛けた。

「ボンクラー!」
「悪口に聞こえるぞ」
「愛があるからセーフ」
「馬鹿が」
「良い馬鹿だね!」

ため息をつかれた。
乱暴に頭を撫でられポイと捨てられた先には。

「スコちゃんぎゅー!」
「ぎゅー!」

全NESTの子持ちが悶絶した。隣にいたブラックアウトも悶絶した。

「黒にぃにもぎゅー!」
「マスター!ぎゅー!」
「…ぎ、ぎゅー」

三人で抱きついた後ブラックアウトが二人を抱き上げ室内へ。それを見守るようにショックウェーブが後ろから着いて行き、ブラックアウトの肩越しに目が合った幸縁に片手を挙げ挨拶をした。
街灯監視カメラの向こうで子持ちが咽び泣いた。

「え〜、ゴホン!本日は皆様お足元の悪い中お越し下さり……」
「長いゾシエン〜」
「わかった!オールハイルメガトロン!いただきます!」

全員で同じく挨拶し、鍋を食べ始めた。

「ほら。よそってやる」
「黒にぃにありがとう」
「「俺等もよそってぇ黒にぃに〜」」
「貴様等は己の指でもしゃぶっていろ。ハチェット、スタースクリーム」
「コイツさっきまではドアノブしゃぶってたぜ」
「貴様が扉を破壊したのかこの愚か者が!」
「ギャー!」
「貴様は嗜好品抜きだ!」
「ドアノブだけなのに…」

ハチェットが撃沈。

「…」
「連た」
「ブロウルが扉破壊しました!」
「お前らぁあああ!」

一斉にチクるディセプティコンズ。

「でも、反省して家事手伝ってくれたよ二人共。今後気をつけてくれるんなら…お酒、いいんじゃない?」
「…」
「「すいませんっしたぁぁあ!」」
「メガトロンさん…」
「……今回はな」
「「やった!」」

勢い良く食べる彼等。幸縁も食べていたが、全員味わいながらも競うように、貪るように食べる。そのため二つ用意していた鍋が足りなくなりそうだ。

(ちゃんとみんなご飯食べてたのかな…)

「シエン」
「はい?」
「…食え」
「ありがとうございます」


〜カメラの向こう側〜


「キャアアアアメガトロンガメシヨソッタァアアアアア!!」
「ホアアアアアッ!!」

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