赤と白と温もりにまつわるetc(6)



「第二段行きまーす!」
「「「おぉ〜!」」」

鍋の中身を途切れさせないように減りの早い方の具を浚って貰い、新しい物を追加する。
煮えるまでの間に、幸縁は酒を飲んでいる面々に酌して回った。

「ブロウル先輩お疲れ様〜ッス」
「…おう」
「なんか、みんな疲れてるね。最近忙しかったの?」

とりあえずヒューマンモードの肩を揉んでやりながら話を聞く。

「まぁな…俺とデバステーターとかは建設施設でこき使われてるぜ。人間に」
「…」
「お前が落ち込むことじゃねえよ。ま、まぁ書類書かされるよりはマシだな!みみっちい仕事は俺の性に合わねぇ。だって戦車だもの」
「誰がみみっちいだ」
「え?」

話に割り込んできたのは…サウンドウェーブだ!(by政宗)
若干頬が赤い。
バイザーOFFだから光の反射とかじゃないよ!

「確かに破壊活動もせず紙媒体やデータに向かう事が殆どだがみみっちい仕事ではない」
「…あ゛?」
「虫けら共の上の立場の奴らに無理難題の条件を突きつけられることがある」

(そんなことまだやってるのか)

幸縁にも政府からがオールスパークの力を政府に提供しろ、と言われたことがあった。

「俺は閣下に政府との交渉を任された交渉人ネゴシエーターだ。此方側に不利益な事項を可能な限り切り捨てている。…まぁアイツ等は原始人に毛が生えたようなものだが、言い負かすのは気分が良い」
「オマエがみみっちいんじゃねえか!」
「誰が小さいだと!」
「いや身長の話じゃねえよっ!?」

オートボットの副官かよ!とブロウルがツッコミを入れると同時にカメラ越しにジャズが暴れ出した。
幸縁は静かに次の酌をしにいった。

「お邪魔しま〜す」
「シエン〜!」

ジュースを飲んでた手を止め抱きついてくるスコルポノックを抱き返す。
膝に乗せて座るとブラックアウトとフレンジーが話しかけてきた。

「今日はあんがとナ!」
「身体が温まる」
「こちらこそ!来てくれてありがとう。…普段フレンジーもスコちゃんも黒にぃにも、ちゃんと食べてる?」

その言葉にディセプティコン全員が一斉に此方を見た。

「え?どした?」
「…ディセプティコン全員、エネルギー補給が出来ていない」
「ハァッ!?何それ!!」
「いやぁ食えるんだけど」
「美味くない」
「…へ?」

烈火の如く怒っていたが、肩すかしを食らった。

「場所も量もある…雰囲気が鬱陶しいせいか?」
「鬱陶しい?」
「ボッツ共とNESTの虫けらが話しかけてくる」
「ふーん…」

(すぐみんなに会えていいなぁ)

「シエン」
「何ですかメガちゃん」
「踏み潰すぞ」
「泣いちゃうぞ」
「…泣くな」
「うん」

ゴホンと仕切り直し、メガトロンは言った。

「お前が作ったものが一番美味い。これからも、作れ」
「え?デレ来た?」

幸縁のテンションが振り切れた!

「もしかしてこれプロポーズ?毎日お味噌汁作って下さいって?よっしゃあああメガトロンさんは私の嫁!オールマインメガトロン!!世界で一番閣下様!!」
「ば、馬鹿かシエン!」
「愛はあるぞ!」

ばーんと言い放つ。

「一生懸命大事に愛を込めて作ってんだから、そこらへんの料理には負けんぞ!」
「だから美味いのか?」
「レシピ通りに作れば普通に美味い」
「なんだよそれ!」

クランクケースのツッコミにみんなが笑う。

「あ、煮えた」
「「「「「!」」」」」

誰かの呟きに全員が鍋に箸を突っ込んだ。

「あっつ!」
「てめぇスタースクリーム!魚のすり身団子ばっか取るな!」
「うるせぇっ!早いもん勝ちだ!」
「貴様…自重しろ」
「スコルポノック、野菜も食べるんだ」
「はいマスター!」
「スタースクリーム、寄越せ」
「か、閣下ぁ…」
「ショックウェーブ!葛切りばっかり食うな!」
「黙れボンクラ」
「んだとぉ!」
「「「うんまっ」」」
「ね〜」

室内には夜遅くまで笑い声が騒がしく愉快に響き、メガトロンの怒鳴り声による雷が落ちるまで続いたのだった。


(みんなで食べるから美味しいんだよ!)

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