Sea side(6)



〜水上バイク編〜



『久しぶりだな。幸縁』
『元気か?』
『どうやら車酔いは治ったようだな』
「うん元気!治ったよ!久しぶりオプティマス。水着ありがとう。アイアンハイドとラチェットもありがとう。…でもこれ派手じゃない?」
『『『そんなことない』』』
「ソウデスカ」

彼等との話題は尽きないが幸縁は気になることがあるので質問してみた。

「メガトロン様が車の中で言ってたんですけど。皆さんの中で、今日ここで仕事してる方がいるって。もう終わっちゃいました?」

見たかったなぁ〜と思う幸縁。

『私達は終わったが…それならバリケードがまだ仕事中だ』
「バリ兄が?何の仕事?」
『ライフセーバーの手伝いだ。あそこにある"パーソナルウォータークラフト(PWC、水上バイクの英語圏名称)"に乗り救助活動に従事している。…シフトではもう終わっているはずなんだが』

オプの指差す方を見ると、少し遠くで水上バイクを操り水飛沫をあげながら手際良く救助活動しているバリ兄の姿が。

(なんか女の人、多くない?)

「え?でも水上バイクって"特殊免許小型船舶操縦士"ってやつが必要じゃなかったっけ?」
『全員免許は持っているよ。スキッズとマッドフラップは一度機体を破損させたが』
「怪我したの!?」
『いや、バイクだ』
「そう…あー怪我無くて良かった!!」
『免許なんぞ無くても回路いじればすぐなんだがな…』
「おい法律守れ」
『シエン、どうやらカタがついたようだ』
「本当?」
『ああ。…女性がたむろしているのは何故だ?』
「あんたらがイケメンだからだよ!」

今も遠巻きだが幸縁とオプティマス、ラチェットとアイアンハイドの周りにも人だかりが。

『興味は無いな』
『あぁ』
『…そうだな』
「!!?」
(こいつ等まさか…ホモか!)

あぁ素晴らしき勘違い。

「そう…あ、私バリ兄迎えに行ってくるね!」

どう反応していいか分からない幸縁は、そう言うと逃げるようにバリケードを迎えに行った。





-バリケード視点-

メガトロン様が電話連絡を取り、"シエンが海に来ると了承した"。そうスタースクリームから聞いてから、俺は会えるのを楽しみにしていた(本人には言わないが)
しかし今日は海難救助の手伝いがある。これほど当番制を恨んだことはないだろう。
朝、人間共とミーティングを行うと、どうやら都合をつけてもらっていたようで午前中で仕事は終了し、他の者と代わるよう言われた。
素直に『感謝する』と言うと、周りが騒ぎだしたので放置し、業務に従事した。

だがなんだ今日は。
海で溺れる奴らが多すぎる。有象無象が邪魔くせぇ。
舌打ちした後『とどめ刺してやろうか』と呟くと、隣にいた職場の人間が必死で止めてきたのでそいつを弄り、気を紛らわした。

予定より若干遅くなったがキリの良いところで上がっていいと無線で言われた俺は、返事をするとPWCを所定の位置へ戻しに行った。
戻したらそのまま合流していいと朝言われていたため、メガトロン様や幸縁を探すが、女が大勢群れて行く手を遮りやがる。
話しかけてきたり勝手に腕を絡ませてきたり場所の取り合いをして甲高い声で叫んでうるせぇ。

『…(あぁ幸縁幸縁幸縁幸縁)』


いちいちふりほどくが意味が無い。


「バ、バリケード!!」


そんななか望んでいた存在の声が聞こえ、俺はすぐさま絡みついてくる腕を全て振り払い、側へ向かった。


『遅かったな』


-バリケード視点終わり-
「車酔いしちゃって」
『お前、ブラックアウトの運転でもダメってどんだけ弱いんだよ!』

バカにしたように話すバリ兄、でも心配してくれてるんだろう。頭を撫でつつゆっくり歩いてくれる。

「もう運命だね!」
『そんなダルい運命いらねぇよ』
「あはは!確かに!…まだいる?」
『あぁ』
「マジかー」
『どんだけしつこいんだ…あ゛あうぜぇ』

実は今のこの会話、全て日本語なのだ。
しつこくついてくる女の人を諦めさせるため、幸縁の提案で喋っている。
しかし数は減ったが、まだうじゃうじゃいる。

『ナンパはされるよりする派だな』
「そうなの?」
『あぁ』
「好きなタイプは?」
『……ぁあー』
「?」
『わかんねえ』
「考えたことがない?」
『戦ってばかりいたからな』
「…では、今のお気持ちは?」
『悪くは、ない…』
(隣にお前がいるから、なんて)
「おぉ!」
『言うわけねぇだろバーカ。退屈だ』
「あらら。役不足ですいません」
『気にすんな』
(そのままだからいいんだ、幸縁は。)





行く宛もなく歩いていると、飲食店が並ぶ場所が見えてきた。
『なんか体に入れるか』
「うん!」

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