Sea side(7)



鉄パイプの柱で組まれた、屋根がある休憩所に座る幸縁とバリケード。

『何食う?』
「…ハンバーガー、でいいや」
『飲み物は?』
「スポドリ。バリ兄は?」
『お前と同じものでいい。特にこだわりはねぇからな』
「一緒に行くよ?」
『女撒くのに協力してもらった礼だ、座って待ってろ』

そう言うとさっさと売店へ向かって行ってしまうので、おとなしく待つことにした。
ケータイを弄ってしばらく時間をつぶしていると、肩をたたかれる。

『バリ兄?』
「やぁ君、またあったね」
「あ」

(またかよ!うぜぇぇ!!)

振り向くと先程のナンパマンが。

「結局一人?」
「…食べ物買ってきてくれるのを待ってるだけです(ほっといてくれやマジで)」
「ふーん…待ってる間暇だから泳がない?」
「泳ぎません(しつけぇ!)」
「ちぇっ…!そうかよ!」

幸縁がキッパリ断ると、いきなり肩に掛けていたパーカーを取られた。

「なにすんの!」
「返してほしかったら一緒に来てよ」
「はぁ!?」

なに言ってんのコイツ。

「優しくしてりゃつけあがりやがって!」
『シエン!』
『何してる!!』

振り向くとオプ達とバリ兄が。
分が悪いと見たか、ナンパマンは逃げ出した。

「待てガキゃぁぁあ!」
『落ち着けシエン。どうどう』
『おいどうした』
『『ナンパか』』
「しかも同じヤツらに二回も!一回目は複数、今は一人!」
『それで?』
「バリ兄が戻って来るから行く訳ねえって思って、嫌だって言ったらメガトロンさんが買ってくれたパーカー盗られた!」

ゆ"る"さ"んと幸縁が鼻息を荒くしていると、バリケードがオプティマス達のほうに幸縁を軽く押した。

「バリ兄…?」
『取り返してくるから待ってろ』
「何人もいるんだよ?」
『俺に勝てる訳ねぇだろ?』
「顔分かるの?」
『『『『あ』』』』

結局着いていくことになりました。





-船着場-

「居た!」
『どいつだ』
「あれ!群れてる先頭のシマ柄パンツ!」
『『『あれか』』』

ヘラヘラ歩いてる男共発見。

『離れるなよ』
「うん」

いざ、奪還へ!

「ちょっと!パーカー返して!」
『あぁさっきの!来てくれたんだね』
「あなたがパーカー盗ったから返してもらいに来ただけ!今なら被害届出さないであげるからさっさと返して!」
『…じゃあ勝負しようよ』
「はぁ!?」
『いいだろう』
「はぁあ!?バリ兄なに言ってんの?!?」
『シエン、アレだろ?勝てばよかろうなのだってヤツだろ?』
「合ってるけど命大事にして!」
『静かに。話が進まないので彼がキレそうな状態だ』
「……PWCでレースだ。そっちが勝てばパーカーは返す。こっちが勝てば女の子は貰う」
『『『『いいだろう』』』』
「…はぁ」
「いいね?」
「わ・か・り・ま・し・た・よ!」
『心配するな』
「怪我しないでね?」
『あぁ、約束する』
「ならばよし!」
「…今コースを作ってる。メンバーを2人選べ。あと乗る機体はあそこから」
『こちらはアイアンハイドとバリケードが出る』
「コースは往復だ。ブイに沿っていけば分かる」
『何でもいい。さっさと終わらせて彼女の物を返してもらう』

話している間に機体を全員選び終え、コースもできた。

『シエン。スタートの号令を頼む』
「気をつけて」
『分かった』
「うん…じゃあ行きます!Ready‥ Go!!」

幸縁が上げていた右腕を振り下ろすと、一斉に水上バイクは走り出した。



『幸縁、私達が選んだ機体は改造されている』
「改造?」
『途中で故障するように細工してあった』
「そんな!」
『まぁ、アイアンハイドはあれでも技術兵だ』
『バリケードもハッキングできる、あんな原始的な妨害は意味の無いものということだ』
「そうなの…?」
『『つまり勝ちは決定事項だ』』
「!」
『リラックスして待ってるといい』
「うん!ありがとうオプ!ラチェ!」
『『どういたしまして』』


それから10分後


『来たぞ』
「!」
『遅れている…!』
「えぇ!?」

リードしているのはナンパマン。その後ろに張りつくようにバリケードとアイアンハイドの姿が。

「バリ兄、アイアンハイド!頑張れぇえ!」

大声で幸縁が叫ぶと二人はラストスパートをかけ、あっという間にナンパマンを追い抜きゴールした。
二人が勝ったことに喜んでいると、エンジン音が鳴る。

『待て!』

パーカーをハイドに向かって投げ捨て、ナンパマンは水上バイクに乗り逃げ出した。

『逃げたぞ』
『レース中ライフセーバー共に連絡を入れた。<配備完了しているから彼女と楽しめ>だとよ』
「か…!?」

パーカーを返して貰いながら絶句する幸縁。
顔を真っ赤にした彼女の様子を見て、砂浜にはオプの悲鳴が響きわたりましたとさ。

-水上バイク編fin-

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