当然の結果(3)



整った顔付きの彼は顎に手を当て、数秒後。

「なら、お前に必要なものだけ持って来い」
「え?う、うん」
「部外者が容易に侵入できる場所にお前を住まわせた虫けら共にも責任がある」
「あぁ〜もしかしたら、ちょっとセキュリティ面に問題があったかもね」
「それ故にこの家は、作業が終わり次第破壊する」
「…え?」
「え?」
「いや、え?じゃないよ黒にぃに」

NESTとアメリカの経済事情の心配をしつつ幸縁は止めた。

「これはショックウェーブが提案し、満場一致で採択されたことだ。政府もこの件で、もっと情報漏洩の危険性について議論すればいい。もう工事費用も全部あっち持ちにするとサウンドウェーブも言っていた」
「あの数分でどんだけ通信してたの!?…気持ちはありがたいけど、そんなの一過性だよ」
「無駄だと言いたいのか?」
「うん。情報漏洩についての議論は大賛成だけど、住居を動かしたって無駄」

この犯人か、また別の輩が自分の身を狙う時が来るだろう。

「そんなの何度もやるより、犯人とっちめて身の程を思い知らせたほうが簡単だよ」
「…そうか」
「あ、でも政府にリフォームはやってもらおうかな。お金は全部向こう持ちで」
「流石だな」
「考え方が俺等に似てきたな」
「いよっ!報復参謀!」
「我らが腹黒女帝!」
「スクラップにすんぞ?大事なネジだけ引っこ抜いてやろうか?」

茶々を入れてきたディセップ達にサラリと暴言を吐き、幸縁はヤンキーの如く首を傾けた。

「でも、なんで私なんだろう?」

美女とは言えず、特に秀でた物も持っていない。
傍から見ると平凡なごく普通の日本人の彼女に対して、どういう意図をもってこのような行動に出たのか理解に苦しむ。
そして人間より知能が高い彼等も、犯人の動機がまったく検討もつかなかった。

「仕方ない。しばらくは此処で、我々が交代でお前と生活するぞ」
「え?!でもそんなことできるの?」
「あぁ……今許可が下りた」
「リアルタイム交渉!?」
「一日目はブラックアウト・スコルポノックとスタースクリームだ」
「にぃにコンビ…でも大丈夫?メガトロンさん。犯人分かるまでこっちに来てもらうなんて」
「もう一回シカゴでの戦いをやるよりマシだろうと言ったら快く許可が下りた」
「そ、そう…(快くねぇ…絶対快くねぇ)」

たかが自分のストーカー被害に国家が動く。
幸縁はこれから動く羽目になるであろうNESTの面々に心の中で謝罪した。

(レノックスさん達とか休みたいだろうに…)






それから数時間後。
NEST基地では。

「野郎ォオオ!!ブッこ(ry」
『どこの元コマンドー隊員だ』
「待てレノックス!気持ちは分かるが待て待て待て!」
『この任務は敵を泳がせるものだ。殺しはしない(たぶん)』
『逃げたらどうすんだよ!なぁ師匠?』
『何処に逃げても引き摺り下ろして細切れにしてやる!』
「落ち着けレノックス、アイアンハイド」
『「落ち着けるかぁあああっ!!」』

鼻息と排気を荒くさせた銀河代表親バカコンビ(周知の事実)であるレノックスとアイアンハイドは、幸縁の身に起こった今回の事件をサウンドウェーブから説明され、憤っていた。
彼等から発せられる怒気と熱気の標的にされたものには安寧の地は無いかもしれない。
任務でとあるゲリラ組織を制圧した時の勢いの倍はある。
アーシーとクロミアとエリータワンらウーマン・サイバトロンは激おこどころではない。
彼等の怒りで地球がヤバイ。

「レノックスさん…」
「シエン!辛かったなぁ、もう大丈夫だぞ」
「いや、あの…こんなことでみんなに迷惑をかけてごめんなさい」
『何を言ってるんですか!迷惑ってんのは毎回テクノロジーを軍事提供しろだの言う馬鹿共のことを指すんですよ』
「ジョルト…」
「そうそう。我らが姫さんが困ってるんだ。助けるのは当たり前だ」
「…レノックスさんの姫様はアナベルちゃんとサラさんでしょう?サラさん=アナベルちゃん=アイちゃん>>>越えられない壁的な」
「なぜ知っている!?」
「周知の事実だろJK」

基地内に笑いが溢れる。
事情を説明しに来た幸縁はレノックスやオートボット達、基地の軍人の面々に慰められ、なんとか調子を取り戻した。

「犯人に心当たりは?」
「う〜ん…。思いつかない」
「具体的な被害を教えてもらえるか?」
「精液ばら撒き以外に?」

のは気のせいだった。一気に目が死んだ幸縁。

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