宇宙飛行はうたた寝のうちに(1)
「しかと、しかとこの目に焼き付けましたよ。キン肉マン二世誕生の瞬間を!」
「はぁ、はぁ…。な、何だこのとてつもないパワーは」
「二世〜〜!貴方はあの、キン肉マンの息子なのですね…」
「やだなぁ〜さっきからそう言ってんでしょお!それよりホラ!サキさんの手当てしなきゃ!」
「そ、そうですね!」
あまりに感動して沙希のことを忘れていたミートは照れくさそうに頬をかいた。
意識を失っている彼女を抱き上げ、申し訳なさそう謝っていると。上空からまぶしい光が三人を照らした。
《キン肉万太郎。その場を動かず待機せよ》
「やばいぃ、評議会の船だ…」
《さぁ、乗船しなさい》
「い、嫌だぁああ!」
「コラ二世!二世が行かないと始まりませんよ!」
「ボクみたいな弱っちいのなんかいらないよぉ〜!」
「「うわぁぁぁああ!!」」
沙希を抱いたまま追いかけっこをしていた二人は、ふとした拍子に迎えの船に転がり込んでしまった。
何事も無かったかのように動き出す船。
こうして三人は、地球から離脱したのだった。
「う、うぅん…」
「あ、サキさん…ごめんね。よいしょっと」
船の中。
万太郎は意識を失ったままの沙希を抱き直す。
「全身に打撲が…骨に以上が無いか診てもらわなければいけませんね」
「うん…この船はキン肉星に行くのかな?ボク帰りたい」
部屋の向こう側でトレーニングに励む乗り合わせた面々を見ながら万太郎は言う。
「もう…しっかりしてください。貴方はあのキン肉マンの息子、キン肉マン二世なんですから!」
「え?キン肉マン?」
「あの伝説の!?」
「本当かい?君がキン肉マンの息子って」
「な、なんだよぉ…そうだけど?」
「あの、伝説の…キン肉マン…」
「超人オリンピックV2チャンピオンの息子…キン肉マン・タロウか」
「言っとくけど、キン肉マン・タロウじゃなくて万太郎だからね」
何故か持っているフリップをミートに持たせて彼は伝えた。
「うぅ…」
「サキさん?大丈夫ですか?」
「み、ミート君?あれ?万太郎君は?!いてて…」
「大丈夫ですよ。ほら二世」
「サキさん…大丈夫?」
「うん。さっきよりは。助けてくれてありがとう」
「い、いやぁ」
ゆっくりとベンチのようになっているスペースに沙希を降ろし横たえる。
「あの…彼女は一体」
「あ、挨拶が遅れてごめんなさい。皆さん初めまして。此方沙希といいます。こんな体勢でごめんなさいね」
「「「あ、いえいえ…」」」
「悪行超人に襲われてピンチだったところを、万太郎君は助けてくれたの」
「彼女の怪我を手当てするために、共に乗船したのです」
「そ、そうそう」
「それは大変でしたね!」
笑みを浮かべ丁寧に沙希が自己紹介すれば、船に乗っている面々はなぜか頬を染めながらも、次々に自己紹介をしてくれた。
「僕はカリフォルニア出身、ジ・アダムス」
「私はインドのサムゥ…よろしく」
「もぐもぐ、アイルランド出身のセイウチンです」
「ボクは、ギリシャのアポロンマン」
そして食べ物を食べながら。