宇宙旅行はうたた寝のうちに(5)
「
「うえぇ〜〜!?」
「何がたぶんですか!」
「……君が悪行超人によって怪我を負っていることは、ミートから連絡を受けている」
「貴女に治療を受けてもらうために、ここに来てもらったんだ」
「あ…ありがとう、ございます」
「分かってもらえてよかった」
「さっきまで寝てたから伝言を忘れていました」
「そういうことか」
鉄仮面で表情は窺えないが、穏やかそうな声に沙希は肩の力を抜いた。
「皆、頑張ってね」
「おう!」
頭を下げると訓練生達は返事をしてくれた。
一人を除いて。
「万太郎君?」
「……なにさ」
「カルビ丼、楽しみにしてるからね」
「!」
「じゃあまた後で」
「う、うん!」
全員の返事を聞いて、今度こそ沙希はその場を去った。
「万太郎のやる気を引き出すとは、なかなかやるじゃないか」
「え?」
「アイツはサボり魔だって親父が言ってたからな。どれだけごねるか心配してたんだ」
「そ、そうなんですか」
「あぁ」
大柄な体型で頭に牛の角が生えた超人・バッファローマンに、沙希は先程の夢のこともありビビった。
「──なんか距離遠くないか?」
「い…いやぁ顔を見るのに首が痛くて……超人さん達は皆背が高いから」
「超人さん!?」
「え?私、何か変なこと言いましたか?」
「日本でも超人は存在するんだ。テレビとかで見たことが無いのかい?」
「あ〜…私今記憶喪失みたいで、残念ながら覚えが無いです」
「そうなのか!?」
「おい、さっき報告にあっただろう」
「あ、わ…悪りぃ」
「?」
たしなめられ黙ってしまうバッファローマン。
「あの、牛さんは」
「「牛さん!?」」
「…バッファローマンだ」
「えっと、バッファローマンさんは」
「長いな」
「じゃあバッさんで」
「お、おう」
「いや、おうじゃないだろ」
「あはは…バッファ先生は、もしかして私と会ったことがありますか?」
「あぁ」
「!」
「まあ焦らず思い出せばいい。手当てが終わったら少し話す時間を設けよう。君のことを知っている超人にも何人か声をかけるから」
「はい!ありがとうございます!」
自身の存在を知っている人たちがいる。
その事実に、沙希は希望を得て瞳を光らせた。
(これで帰り方が分かるかも!)