「おい!コック」
「ああ見えた。ルフィはもう、CP9と戦ってる……!」
「ほんとか!?しまった出遅れた!しかしこの完全包囲網をどう切り抜けるか!何者かの鉄球くらってゴモラももう動けねェ!!」
「もう道は一つしかねェだろ!」
「裁判所までつっきるぞ!」
「よし行くぞ野郎共ォ!!」
「待てェ!誰も下りるな!しっかり捕まってろ!!ゴモラがそう言ってる!」
チョッパーが言うには目が見えなくなってるキングブルはそれでも壁にぶつかりながら、それでも前に進んでくれる。目の前に建物が立ち塞がってもゾロとサンジくんが切り砕いて強行突破したら、目指してた裁判所の前に着いた。頑張ってくれたキングブルの背中から下りてルフィがいる裁判所の屋上を見あげる。
「見える?ルフィ」
「イヤ……この屋上となるとよじ登っていくわけにもいかねェな」
「そりゃあゴムでもあるめェし」
「CP9って何人見たの?」
「見えたのはツノの大男一人だが……」
「あんな屋根もねェ場所にロビンちゃんやフランキー連れて全員でいるとは考えにくい」
「……うん、ルフィとそのツノの男二人だけみたい」
「とにかく早くルフィに追いつかなきゃ!ロビンを早く助けなきゃ!!」
そこに後ろから、さっきキングブルを攻撃してたのと同じ大きい鉄球が飛んできたけど、どこからかやってきた大きなカエルが防いで勢いを止めてくれた。敵は仕掛けてきたくせに建物の間に隠れてった。その影を追ってったサンジくんがそのうちの一人をボロボロに倒して帰ってきた。
「何で逃げるんだ!?自分からしかけといて……」
「バカ野郎いちいち逃げる敵まで追っかけてたら時間のムダだろうが!」
「うるせェな、確認だ。どんな敵が狙ってくるのか知っといてもいいだろ」
後ろから来てる追っ手に囲まれる前にゾロが大きい扉を切って中に進む道を作ってくれた。その道を行くと中にはまだまだ人がいた。
「うわ、人いっぱいいるよ!」
「あんたは大人しくしてなさい!接近戦は駄目!」
「えーーっ!」
接近戦は駄目。じゃあ遠距離はいいって事だね。それならいつも通りに風を使って奴らを蹴散らしちゃえばいいや。
「"ヴィント・ダス・メサー"」
大きな風で渦を作って巻き込んだ何人もの海兵を切り刻んでいくと、だいぶ人数が減ったみたいだ。やっぱりサンジくんの言う通り、あたしはこういう広いところの方が有利みたい。溜まってたものが晴れたようにスッキリした!
「意外と人数はいねェ様だ。一気に進めそうだが。何だありゃ……」
「うおっ!3つ首人間っ!3つ首の番犬ってのは物語に聞いた事あるがあいつは一体……!」
「者共静粛に!ここは神聖なる裁きの殿舎!覆す事叶わぬ貴様らの運命をこれより裁決してくれる!!」
「ねェアレ見て!裁判が始まったみたい!」
「ムシしろ面倒くせェ!道はどこだ!?」
「正面見て 両側に階段がある!あれで上階へ」
「"
後ろをフランキーの仲間達に任せて、あの首が3つある裁判長を無視して両側にある階段の近い方に向かってゾロが開いてくれた道を走り出した。
「待て待て待てェ!!そこを退かんかトナカイにバカ剣士!この危険な敵陣!ナミさんとリリナちゃんの進む道はこのおれが切り開くのだ!!どけい!!」
「うわ!危ねェてめェやんのかコラ!!」
「何でケンカ始めてんだ!?」
後ろから賑やかに走ってきたサンジくんが途中のゾロと喧嘩しながらやってきて、あたし達の前に躍り出てきた。
「ナミさん、リリナちゃんこっちだ!!おれにのみついてきな!!」
「あのね私達ロビンを助けに来たんでしょ!?」
「おお、そうだロビンちゃんが……!おれの助けを待ってるんだ!今頃淋しくて泣いてやしねェかな」
「ん?あーっ!目を離したスキにゾロが!待てゾロそっちじゃねェよォ!!」
「階段って言ったのにどう間違ったらそっち行くのよ!」
「あっサンジくん待って!速すぎてナミついて来てないよ!」
そのサンジくんに気を取られてたらゾロがあたし達がいるのに、しかも階段を登らないで変なとこに走ってっちゃってるし、サンジくんもサンジくんでどんどん階段登ってっちゃうし、ナミとチョッパーはゾロを誘導してるしでちょっと混乱しそう。けどよく考えれば目的はルフィのいる屋上に向かう事だし、ナミはチョッパーとゾロがいれば安心だからってぐんぐん階段をのぼっていっちゃうサンジくんを追いかける事にした。